鎌田大地の退団が影響? 疑問を持ったトゥドール監督もラツィオを去る可能性

トゥドール監督もラツィオを去る可能性が浮上[写真:Getty Images]

ラツィオからの退団が決定的になった日本代表MF鎌田大地だが、その影響は別のところにも波及する可能性が高いようだ。

今シーズンからラツィオでプレーした鎌田。しかし、獲得を進めたマウリツィオ・サッリ監督からは構想外に近い状況になり苦しむと、1月にも移籍の噂が浮上。それでもチームに残留していた。

その後サッリ監督が辞任。後任としてやってきたイゴール・トゥドール監督は鎌田の才能を評価し、セリエAでは就任後の全ての試合で先発起用。何度も高い評価を与えていた。

鎌田はラツィオと1年契約しか結んでおらず、その先は延長オプションという形に。自身の立場を考えて確実に退団するはずだったが、トゥドール監督の下でポジションを奪い返したことで残留に傾き合意していた。

しかし、オプション行使期限ギリギリになり交渉が暗礁に乗り上げることに。契約解除金の設定を巡る問題が発生したとされていた中、交渉は決裂。スポーツ・ディレクター(SD)のアンジェロ・ファビアーニ氏が「非常に無礼な事態に直面することとなった」と怒りの発言。鎌田の退団を認める形となっていた。

フランクフルト時代の恩師であるオリバー・グラスナー監督が率いるクリスタル・パレスへの移籍が濃厚と見られている中、ラツィオではさらなる動きがああるという。

イタリア『La Lazio Siamo Noi』によれば、鎌田をクラブが手放したことで、トゥドール監督もチームを去る可能性があるという。

トゥドール監督のサッカーにおいて、鎌田は必要不可欠な存在だった。この数日の動きに対し、クラブが交渉に応じなかったことも含め、自身の望む戦力が整えられないことに疑問が生じたという。

ラツィオのクラウディオ・ロティート会長は厳格な倹約家としても知られており、鎌田側の代理人の要求に簡単に返事はしなかった模様。「私は誰にかに脅迫されているわけでもない」とファビアーニSDも語ったように、相手の話に乗らなかったことも窺える。

この状況に動きを見せているとされるのはボローニャ。今シーズンはセリエAを5位で終了し、来シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)を戦う。

ただ、チアゴ・モッタ監督がユベントスの監督に就任することが決定的。クラブも退任を認めており、CL出場に向けて指揮官を探しているところ。トゥドール監督がラツィオを離れるのであれば、手を挙げることになると見られている。

いずれにしても、鎌田を取り巻くラツィオの状況は混沌としている。果たして来シーズンはどのような陣容になるのか、注目が集まる。

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