「中小企業」で働く30歳です。賃上げや退職金が期待できる「大手企業」に転職を考えても大丈夫でしょうか?

中小企業と大企業では賃金がどう違うのか?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、企業規模別にみた賃金は大企業が34万6000円、中企業が31万1400万円、小企業が29万4000円となっています。年齢別にみた賃金と対前年増減率は、表1の通りです。

表1

※厚生労働省「 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 企業規模別」を基に筆者作成

「~19歳」の賃金は企業規模による差が小さく、年齢が上がるごとに差が開いていくことが分かります。30歳だと大企業と小企業で給料に4万円近い差が出るため、今後のことを考えて大企業への就職を検討される方も増えてくるかもしれません。

ただし、前年に比べての増加率については、大企業だからといって高いわけではないようです。

退職金を支給している企業の割合は?

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)制度」によると、退職給付制度がある企業は74.9%となっています。企業規模別にみた場合は、以下の通りです。

・1000人以上:90.1%
・300~999人:88.8%
・100~299人:84.7%
・30~99人:70.1%

企業規模が大きいほど退職金給付制度がある企業の割合が高くなっていることが分かります。

大企業における退職金の相場はどのくらい?

中央労働委員会の「令和5年賃金事情等総合調査」を参考にした大企業における男性の退職金相場は、大学卒業で定年退職まで勤務した場合で約2139万6000円、高校卒業の場合で約2019万9000円となります。

転職して30歳から勤務する場合はこれより少なくなる可能性がありますが、退職金が一切出ない今の企業に勤めているよりも、将来的な安心感はかなり大きくなるでしょう。

将来に不安があるなら転職を検討してもいい

中小企業と大企業では、年齢によっては給料に4万円近く差が出ることもあるようです。また、退職金についても大企業の方が支給されている企業の割合が高いため、今の企業に勤め続けることで金銭的な不安が大きくなるようであれば、なるべく早いうちに転職を検討した方がいいかもしれません。

出典

厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 企業規模別
令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)制度(12ページ)
中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査 令和5年退職金、年金及び定年制事情調査調査結果の概要(7ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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