今季全試合出場の20歳 藤川玲奈が自己ベスト2打更新で2位「たまにはあってもいいのかな」

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第6戦 PGM CUP 最終日◇31日◇セゴビアゴルフクラブ イン チヨダ(茨城県)◇6434ヤード・パー72>

2022年からマイナビネクストヒロインゴルフツアーに参戦し、昨年の第12戦「マイナビカップ」で初の優勝争い。今季は全試合に出場している20歳・藤川玲奈が今大会で4度目のトップ10入りを果たした。初日は4連続バーディを奪うなど「64」をマークして、競技での自己ベストスコアを2打更新。自身最高位の2位タイに入った。

「ピン位置がきのうよりきつくて、ショットにプレッシャーがかかっちゃった」と打ちたい球が打てない一日だった。加えて「同点だったので難しかった」と、最終日をトップタイでスタートするのは初の経験だ。「プレッシャーを感じないように、考えないように」同組の選手とコミュニケーションをとるなど、ラウンド中には笑顔も見せた。

最初のホールはバーディでスタートするも、そこから失速。「乗ればいいくらいのラフな気持ちで考えていけば、もうちょっとスコアもまとまったかなと思う」と悔しさをにじませた。それでも、17番でこの日2つ目のバーディ。「ミスショットだったんですけど、奥に行ったのがたまたま戻ってきてくれた。絶対入れなきゃいけない」と気合でバーディパットを沈めた。

女子選手では珍しい長尺パターを使う藤川だが、最近はパットラボに通って腕を磨いている。その効果はてきめんで、以前は手前で切れることが多かったというが、最近はラインの読みが浅いことに気づかされたという。「自分の悪いところを丸裸にされるけど、面白い」と得意クラブへの自信をさらに深めている。

今年からウェア契約も締結。きっかけはインスタグラムに届いたメッセージだった。「かわいいウェアを着てゴルフできるの幸せだし、気が引き締まる」と新たな“勝負服”を着て笑顔を見せる。最終日はゴールドのボタンがアクセントになったピンクのワンピースでプレー。試合のコーディネートは自身で組み、楽しみも増えたという。今後のウェアにも注目だ。

次戦は6月4日に行われる第7戦。「優勝してもっと自信をつけたかったけど、まだ早いって言われたような気がして」と今回は涙をのんだが、初日の「64」というビッグスコアを糧にする。「ミスショットをしても全部寄るし、怖かった。でもそれもゴルフ。たまにはそんなことはあってもいいのかな」と学びある2日間となった。不思議な感覚を味わった今大会。これを踏み台に初優勝を狙う。(文・小池文子)

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