群馬県の特性に合わせた防災学習を 県作成の教材でモデル授業、高崎車郷小児童が自助・共助の大切さ学ぶ

県が作成した防災教育教材を使ったモデル授業を受ける児童ら

 災害時に自発的に判断して避難できる児童を育もうと、群馬県が小学校高学年用に作成している防災教育の教材を使ったモデル授業が31日、高崎市の高崎車郷小で行われた。全4回の最終回となったこの日は「わたしたちができること」をテーマに、6年生14人が自助と共助の大切さについて学んだ。

 災害時に警戒レベル4の避難指示が発令された際、近所の人が自宅にいたらどうするかなど「助ける側」の行動について学習。地域の人との関係づくりや非常食を多めに用意することなど活発に意見を出し合った。岡田陽芽さん(12)は「自分の命を守りつつ、家族や近所の人に声をかけて一緒に避難したい」と話した。

 教材は水害や土砂災害による逃げ遅れをなくそうと、県土整備部と県教委が作成。スライドには県内各地の被災写真を用意し、地域の特性に合わせた授業を展開できる特徴がある。ワークシートや副読本、教師用の授業の手引もある。

 授業を担当した広木拓教諭(29)は「アドバイスの入った教材を使うことで、よりポイントを押さえた授業ができた」と手応えを感じていた。

 同校を皮切りに、今後も複数校でモデル授業を行って内容を改善し、完成後は県内全ての小学校で活用してもらう。中学年用、低学年用の作成も予定している。

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