共産・田村智子委員長「立民は強い共産をたたいて伸びようとしている」苦言

立憲民主党との野党共闘について話す共産党の田村委員長(1日午後、京都市南区・京都テルサ)

 共産党の田村智子委員長が1日、京都市南区の京都テルサで講演し、次期衆院選で京都における立憲民主党との野党共闘が困難な状況になっていることに触れ、「(立民は)強い共産をたたいて伸びようとしている」と苦言を呈し、「私たちが戦うべき相手は自民党だ」と訴えた。

 共産は2021年の前回選で立民の泉健太代表が立候補した京都3区と、6区で擁立を見送ったが、次期衆院選では全選挙区で候補者を決定している。泉氏も5月、記者団の取材に前回は見送った1区にも擁立する意向を明らかにし、共産と立民が競合する形になっている。

 田村氏は野党共闘について、機密情報の保全対象を経済安全保障分野に広げる新法案への態度など立民との立場の違いから「大きな課題に直面している」としつつも、「戦争する国づくりを進める自民党政治は終わらせないといけない。今こそ共闘の原点である立憲主義に立ち返るべきだ」と意欲を示した。京都については「野党の中での力関係争いにしようとする動きがある」とけん制した。

 講演終了後、記者団の取材に応じ、他党との候補者調整について聞かれたが、「まだ政党間で共闘の意思を確認できておらず、そういう段階ではない」とかわした。講演は共産府委員会が主催し、約900人が参加した。

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