サマンサ・アナンサ 自身初の単独トークライブ開催 後輩への思い「個性や方向性を見出すきっかけに」

タレントでドラァグクイーンのサマンサ・アナンサがパーソナリティーを務めるラジオ番組で、自身にとって初の試みとなった単独トークライブについて語った。

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5月11日(土)に、自身にとって初となる単独トークライブ「QUEEN’s TALK LIVE 『こぢんまり』」を開催したサマンサ。DAIHATSU 心斎橋角座(大阪市中央区)で行われた同イベントは、従来の華やかなショー形式ではなく、おしゃべりだけを届けるという異例の試み。そのため、サマンサはライブ前日から緊張の様子を見せていた。

ライブ前夜、所属する松竹芸能のマネージャーから「もっとかわいいイメージで!」と衣装へのダメ出しが。サマンサは「それ、前の晩に言うこと!?」とあわてながらも、髪型からアクセサリーなど、なんとかすべてをそろえなおしたという。

当日は三角模様のワンピースにお団子ヘアで登場したサマンサについて、ライブ会場を訪れていたウラリエは「かわいらしかった」と絶賛。番組パートナーからの褒め言葉に、サマンサも安堵の色をのぞかせた。

ドラァグクイーンといえば歌や踊りを織りまぜた「ショータイム」がオーソドックスなスタイルだが、サマンサは駆け出しのころからショータイムが苦手だった。

しかし、「ショーができなければ呼んでもらえないし、ステージに出してももらえない」という世界。一般的に、ショーのネタは10〜20種類ほど持っているドラァグクイーンが多いなか、サマンサは3〜4種類しか持っていなかった。

当時の心境について、サマンサは「ショーが苦手というのは、(ドラァグクイーンという)マイノリティな世界のなかでもさらにマイノリティだった」と赤裸々に語った。

90分間にも及ぶトークライブでは、衣装替えも休憩もなし。まさに“出ずっぱり”のひとりしゃべりで、観客を大いに沸かせた。

「わくわくする気持ち半分と一緒に、『やれるかな』という不安もあったけど、チャレンジしてみたかったし、かっこよくいえば『パイオニアになりたい』という気持ちもあった。成功したかどうかは見にきてくれた人が決めることであって、自分の達成感というわけでもない。もし、これ(トークライブというスタイル)を“あり”だと思ってもらえて、“こういう形もいい”となれば、自分のあとに続く後輩のクイーンたちも『私もやってみたい』と思えたり(するかもしれない)。従来のショーにこだわらない形で、自分たちの個性ややりたい方向性を見出すきっかけになればと思う」(サマンサ)

サマンサは、初挑戦となった単独トークライブを実施した真意を語るとともに、「自由に好きにやればいいのよ」と本質をついたコメントをサラリと残した。

「ステージからの素晴らしい景色を見せてくれたお客さんには感謝の気持ちしかない」と話すサマンサ。ウラリエからの「お客さんとの距離が近かったし、ものすごくおもしろかった。みんなハンカチを持って泣きながら笑ってましたよ。またトークライブをやってほしいです」という言葉には、「あんまり期待しないで」と笑いまじりに答えた。

番組が放送された5月17日は、「多様な性にYesの日」。番組からは「あなたらしく」「自分らしく」というメッセージとともに、こだわりの楽曲が届けられた。

※ラジオ関西「Clip金曜日」2024年5月17日放送回より

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