奇跡! 2回の迷子でも無事帰宅…トラブル後の猫さまの驚くべき変化とは

家族にしか心を開かない猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.238
猫さまの話をもっと聞かせて!
元野良猫のノラさまは7歳の女性猫さま。




<ノラさまが語ります>
私はパリ郊外の、庭のある一軒家に住んでいます。冬は少し出かけるだけで家にいる時間が長いのですが、夏はひと晩中外で遊び倒しています。家に人がいない時は季節問わず外に出っぱなしです。



食事は朝はパテ、夜はカリカリメインです。だいたい交互に数回食事があり、1回の量は少なめです。特別な日というのは特にないですが、夏はほぼ毎週末BBQをするので、焼いたお肉のおこぼれが私にやってきます。夏は毎週ハッピーですね(笑)。



大好きな場所は、家の入口にある大きなモミの木の下です。家の中ではベッドの上、ソファの角、陽のあたるバルコニーの椅子の上。気分にあわせて移動します。



外では狩りをしています。鳥やネズミの獲物は必ず家に持ち帰って褒めてもらいます。


<飼い主から見たノラさまとは>
ノラは私たちが初めて飼った猫です。我が家の隣に家が建設されていた時、そこに隠れている子猫を捕まえようとしていたご近所さんのお手伝いをした娘が、そのままノラをもらいました。ご近所のかたはすでに2匹飼っているからどうぞ、と渡されました。



ノラは私たち一家の癒やし的存在になりました。また、縁がある子だと思います。実は2回迷子になったことがあるのですが、不死鳥のごとく帰ってきてくれました。1度目は時間、場所タイミングともに、ノラ自身がアピールしなければ見つけることができなかったと思います。2度目は義理の両親宅で預かってもらっていたときでした。土地勘もないだろうに、義理の両親宅に自力で帰ってきました。もう2度と迷子にはなってほしくないです。



ノラ自身も気を付けるようになっています。田舎の家に行くと、周りには家がないので近くを一緒にお散歩できます。ちゃんとついてきて、犬の散歩のようです。ちょっと怖いことがあるとさっと自分だけ逃げますが(笑)。また、耳がすごく良いです。3~50メートルくらい離れた小さな雑木林を見て固まっていたので、一緒に見ていたら雌鹿が出てきました。



我が家に来客があるとき、ノラは外に出ます。家族以外の他人には基本的に近づきません。家族であっても、ご飯のときや外に出たいとき以外はすり寄ってきません。我慢してくれますが、抱っこも好きではないようです。寝る体制、寝ているときはなでたりお腹のふわふわの毛を楽しめます。その時は至福です! 寝る前に寝床をモミモミ、ご飯がもっと欲しいなというときに近くでモミモミしているところもかわいいです。



子どもたちも寝ているノラにくっついて、勉強や日々の生活もろもろへの癒やしてもらってるように思います。ただ、今は困ってしまうことがひとつ。頻繁にネズミ、鳥、トカゲを持ち帰ってくるのはちょっと…。



いつの日か、ノラの命がなくなる瞬間がくると思います、その時には家族全員で看取りたいです。灰は田舎の家の庭に撒きたいです。


ーー野生児のノラさまは冒険好き、家に帰ってこなかったり、狩りの収獲のコレクションだったり、飼い主を困らせることが頻繁ですが、それでも飼い主一家はノラさまが好きでたまりません。これからの季節はまた狩りに出かける回数が増えそうですね。


著者情報
松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

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