キリン「午後の紅茶」初のキッチンカー開業 紅茶そのものの魅力を発信 アレンジティーとワッフル販売 集客の起爆剤にも期待感

キリンビバレッジ首都圏統括本部は1日、ライフ豊洲店(東京都江東区)の地上駐車場を貸切り「午後の紅茶」初となるキッチンカーの営業を開始した。

キッチンカーは2日も同店で営業する。今後、首都圏エリア1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)での展開を予定している。

1日は「午後の紅茶」に季節の果実などを組み合わせたアレンジティーやワッフルを販売。

「午後の紅茶」ではなく、アレンジティーやフードペアリングの体験を通じて紅茶そのものの魅力を伝えるため、サンプリングとせず、あえて販売の形式を採用したという。

3種のアレンジティー。左から「スパークリングレモンティー」(税込200円)「ベリーベリーミルクティー」(税込400円)「トロピカルアイスティー」(同)

取材に応じたキリンビバレッジの村山浩義常務執行役員首都圏統括本部長は「今日が記念すべき第一歩。紅茶のおいしい飲み方や楽しみ方、フードペアリング、紅茶ポリフェノールなど様々な情報を伝えて、この場所から紅茶ラバー(紅茶愛好者)を増やしていきたい」と力を込める。

この考えのもと、キッチンカーの色調はブルーニュイ(濃紺)とした。

キッチンカーを企画した背景には、紅茶の飲用者数の少なさがある。
「リーフを含めた紅茶は世界で一番飲まれている飲み物なのだが、日本では日常的に飲まれるお客様が少ない」と指摘する。

このような課題認識から、昨年、若手を中心とした従業員の働きがい促進を兼ねて、首都圏統括本部で紅茶のプロジェクトチームを発足。
今年4月に新設されたブランド推進部は、このプロジェクトチームが発展したものとなる。

キッチンカーの営業は、ライフ豊洲店の協力のもと、ブランド推進部が旗振り役になって実現に至った。

ブランド推進部は、「午後の紅茶」「生茶」の基盤ブランドとヘルスサイエンス領域の3つを柱に活動。「キッチンカーを含めた様々なアイデアを実現させるために、営業部隊の間に入って情報提供を行うなどサポートしている」という。

大陳売場にPOPを掲示しキッチンカーへの誘導を図る

キッチンカーでは、紅茶の魅力を発信しつつ紅茶飲料市場の拡大も狙う。

高井美奈首都圏統括本部ブランド推進部部長は「首都圏全体の『午後の紅茶』の売上目標をしっかり達成していく。そのために、キッチンカーを通じて紅茶の飲用者を増やしていきたい」と意欲をのぞかせる。

ライフ豊洲店では売場とキッチンカーを連動。
売場では「午後の紅茶」シリーズをエンドで大陳。“4本お買い上げでアレンジティー1杯無料”のPOPを掲示し売場からキッチンカーへの誘導を図っている。

ライフコーポレーションの水落淳夫豊洲店副店長(右)

ライフコーポレーションの水落淳夫豊洲店副店長は「キッチンカーをお目当てに来店される方も多いと考え、店頭とアプリを通じて事前に告知させていただいた。当店が成功事例となり、ライフの他の店舗にも広がっていければいい」と期待を寄せる。

ライフ豊洲店で販売されているメニューは以下の通り。
――「スパークリングレモンティー」(税込200円)
――「ベリーベリーミルクティー」(税込400円)
――「トロピカルアイスティー」(同)
――「本格手淹れ紅茶」(税込300円)
――「アメリカン・ワッフルオリジナル」(税込500円)
――「アメリカン・ワッフルアイス」(税込600円)

なお、ワッフル用のシロップは「午後の紅茶 おいしい無糖」360㏄とグラニュー糖500gをミキサーで5分間攪拌してつくられたものとなる。

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