令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選 準決勝 上越 vs 開志学園JSC

開志学園JSCが3大会ぶりの決勝進出!上越に逆転勝ち
開志学園JSCイレブン

 令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選準決勝が6月1日に行われた。第2試合は3大会ぶり決勝進出を狙う開志学園JSCが逆転勝ち。初の決勝を狙った上越を2-1で下した。

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 先制点は準々決勝からスタメン4人を変更した上越。前半6分、左サイドからDF佐藤宥來(3年)がロングスローを放り、混戦からDF冨田大地(2年)がゴールネットを揺らす。その後も中盤を省きながら相手の背後を狙うロングボールを中心に攻め込む。ただ、開志学園JSCも落ち着いて対応。全選手がハードワークを惜しまず、奪ったボールは準々決勝で2得点を挙げたエースのFW阿部日夏太(3年)に集め攻撃の糸口を探る。

 いい守備でペースを奪い返した開志学園JSCは20分。右FKを獲得すると、DF松浦朔太郎主将(3年)が正確な左足キックをゴール前に送る。最後は混戦からFW荻原怜大(3年)が頭で押し込み、試合を振り出しに戻す。続く33分には松浦の左クロスを受けた阿部が振り向きざまにシュート。枠を捉えることはできなかったが、流れを掴んで前半を終える。

 後半はジリジリした展開。両チームともリスク回避のためかロングボールの蹴り合いとなる。その中で存在感を示したのが開志学園JSCのFW徳丸祐希(3年)。FW登録ながら左MFで先発し、後半途中からは逆サイドに入った。「運度量が自分の武器」と話すダイナモはセカンドボールを回収し続け、好機ではドリブルを仕掛けて攻撃にアクセントを加え続けた。

上越 vs 開志学園JSC

 すると56分。チームのために走り続けてきた徳丸がスポットライトを浴びる。ペナルティーエリア右手前でパスを受けると、鋭いフェイクから右足を一閃(いっせん)。相手GKが反応できなかった弾丸シュートは左ポスト内側をたたき、そのままゴールネットを揺らした。「練習していた角度だったし、相手を抜ききる前にシュートを打つのは得意な形。最高に気持ちよかった」と顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 初の決勝進出を狙う上越は終盤、主将のMF松澤煌成(3年)がペナルティーエリア内から左足シュートを放つも、開志学園JSCのGK水野功規(3年)に阻まれタイムアップとなった。

 開学園JSCの宮本文博監督は「前半のうちに追いつけたことが大きかった。厳しいゲームになることはわかっていたが、選手がよくやった。ここまで来たら疲労はもちろんあるだろうが、最後1つ。なんとか帝京長岡さんに食らいつきたい」と話した。

 MVP級の活躍を見せた徳丸はレガースに全部員、スタッフの名前を書いて予選に出場。ユニホームの下には準々決勝で負傷交代したFWイヴァニツキーレオの背番号20のユニホームを着てピッチに立った。「(レオとは)小、中、高とずっと一緒。優勝してインターハイに連れて行く」。短期決戦でのロングスロー連投にも「全然、疲れていない」と余裕の表情をみせた。

 決勝は昨冬の11月、全国高校選手権予選決勝で2-5と大敗した帝京長岡と対戦する。リベンジマッチに向け徳丸は「自分たちはチャレンジャー。試合に出られない仲間たちの思いも背負いプレーする」。仲間思いのダイナモがピッチを走り回り、優勝旗を掲げる。

(文・写真=編集部)

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