「日本の街にゴミが転がっていない理由はこういうところにもあるかもね」 アメリカ人が納得した理由とは

アメリカからやってきた(左から)ベンさんとエリックさん【写真:Hint-Pot編集部】

連日、街中で見かける多くの外国人観光客。訪日目的はさまざまで、グルメや観光地めぐり、日本独自の文化体験などが多くの外国人を魅了しています。ダイビングが目的でやってきたというアメリカからの2人組。ふたりの住むエリアでは当たり前にもらえるものが、日本ではもらえずに困惑したといいます。それはいったい、なんなのでしょうか。

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訪日の目的はダイビング 伊豆半島沖で多く見られるというシュモクザメが大好き

アメリカからやってきたというベンさんとエリックさん。ベンさんは初めての日本ですが、エリックさんは3回目の訪日だそう。ふたりで2週間ほど日本に滞在する予定だといいます。

今回の訪日の目的は、ダイビングです。エリックさんは数か月前までエンジニアとして働いていましたが、退職してスキューバダイビングのインストラクターライセンスを取得。なかでもシュモクザメが大好きだそうで、今はシュモクザメと泳げる場所を探しながら世界中を旅しています。

「シュモクザメはとても美しいし、人を攻撃しない比較的おとなしいサメ。僕がとくに魅力を感じている部分は、彼らは電磁波を感知し、エサであるエイを見つけるということ。たとえ砂の中に隠れているエイでも感知して、見つけて食べるんだ! これまでたくさん働いたから、しばらくはサメを探しながら世界中を旅したい」

シュモクザメの魅力について、目を輝かせながら語ってくれたエリックさん。シュモクザメが多く現れるという、伊豆半島最南端の南東沖合約10キロの位置に浮かぶ岩礁だけの小さな無人島・神子元島(みこもとじま)へ向かうのだそうです。

頼まないともらえないレジ袋 両手いっぱいに抱えて帰ったことも

多くの訪日外国人が虜になっている日本のコンビニエンスストアですが、ふたりも同様のようです。

「日本のコンビニの食べ物は素敵なものばかり。アメリカだと、コンビニの食べ物を買おうとは思わない。品質が良くないし、新鮮でもない。でも、日本のコンビニで売られているものは新鮮だ」

初めての日本でのコンビニ体験で、ベンさんはとくに食べ物について絶賛。ただ、ひとつ気になったことがあるのだそうです。

「僕たちは食べ歩きが好きなので、コンビニの食べ物は手軽で持ち歩けるし、すごく便利。ただ、ゴミ箱がないからゴミを持ち歩かないといけないけど(笑)。日本の人たちはゴミ箱がないのに、どこでゴミを捨てているの?」

訪日外国人が困ったことに挙げる、ゴミ箱が少ない問題。日本には「来たときよりも美しく」という言葉が根づいており、ゴミを持ち帰ることに慣れている日本人が少なくありません。

さらに、ベンさんたちは日本人の意識の高さに目を丸くし、感心していました。

「ゴミを持ち帰るといえば、日本のコンビニは頼まないとレジ袋をもらえないよね。一度コンビニで買い物をして、レジ袋をもらえなかったから、日本はレジ袋がない文化なんだと思って両手いっぱいにおにぎりと飲み物を持ってたんだ。そうしたら次のコンビニでは『レジ袋いりますか?』と聞かれて、あるんだ! と思ったんだよ(笑)。でも、これもゴミを減らすための工夫だよね? 日本の街にゴミが転がっていない理由は、こういうところにもあるかもね」

日本では廃棄物や資源の節約、海洋プラスチックゴミ問題、地球温暖化などの課題に対応するため、2020年7月からレジ袋が有料化されました。ベンさんが住むエリアでは基本的にレジ袋をもらえるそうで、「少しびっくりしたかな」と振り返ります。ただ、アメリカ国内でも州によってはレジ袋を禁止していることも。

ベンさんは驚いたようですが、レジ袋の禁止や有料化は、身近ではゴミを削減するため、大きな観点では地球温暖化や海洋汚染を防ぐために世界的な広まりを見せている施策。母国と異なるとはいえ、ひいては大好きなシュモクザメたちの環境を守ることにつながります。日本の海で雄大に泳ぐシュモクザメを見られるといいですね。

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