利用活性化へバス運行 来年3月末まで糸魚川―白馬間 北陸新幹線敦賀延伸 潜在需要を可視化 大糸線活性化協

糸魚川駅発の初便には新幹線からの乗り換え客1人が乗り込んだ

JR西日本の大糸線(南小谷―糸魚川間)の利用促進を目的にした、糸魚川駅からJR東日本の大糸線白馬(長野県白馬村)駅までのバス運行が1日、始まった。来年3月末まで毎日4往復8便運行する。所要時間は1時間16分。今年3月の北陸新幹線敦賀延伸を契機に、関西方面から観光地・白馬への旅行客を輸送することで、大糸線の潜在需要を可視化する。

大糸線沿線の自治体やJR西などで組織する「大糸線活性化協議会」の事業。JR西は運行に向けて時刻表にバスのダイヤを掲載。旅行者が利用する乗り換え案内サイトやグーグルの経路探索などにも掲載されている。協議会では今後、周知に向けた取り組みを加速することにしている。

午前11時55分糸魚川駅発のバスには、北陸新幹線からの乗り換え客1人とJR西の関係者、報道陣が乗り込んだ。JR西金沢支社によると同8時30分白馬発糸魚川行きには、白馬からの2人をはじめ計4人が乗車したという。糸魚川駅にバスの時刻表を見に来た男性は「大糸線で月に1、2度南小谷へ行っているが、南小谷駅は二次交通に乏しく不便だった。白馬までバスが行くというのも良いアイデア。利用すると思う」と話していた。

大糸線は利用者減でJR西が大幅な赤字路線としている。沿線の人口減で生活路線としての利用客増加が見込めない中、協議会は沿線自治体と両県、JR西で1億2500万円という例年にない費用を投じてバス運行と誘客を展開する。

糸魚川市の内山俊洋都市政策課長は「北陸新幹線の敦賀延伸を契機に活性化に取り組んでいく。目いっぱいできることをやる」、JR西金沢支社の鹿野剛史地域共生室長は「精いっぱい地域の声に応えたい。その後の振り返りでは、運行で得られたデータやファクトを基に、丁寧に議論したい」と話した。

大糸線と北陸新幹線が接続する糸魚川駅。バスはアルプス口発着で運行する

© 株式会社上越タイムス社