セブンに男性来店「6億9千万円もらえる」…被害防いだ店員「気付けて自信」 顧客に29万円の要求が…訪問中の社労士、電話代わって切る 信じていた男性救われる

池田賢次署長(右端)から感謝状を贈られた北條功偉さん(右から2人目)、大貫果菜さん(同3人目)、宮内江里さん=5月22日、さいたま市中央区の浦和西署

 埼玉県の浦和西署は5月22日、さいたま市岩槻区の社会保険労務士北條功偉(こうえ)さん(74)と「セブンイレブンさいたま八王子5丁目店」のアルバイトの宮内江里さん(36)、大貫果菜さん(21)に感謝状を贈った。

 同署などによると、4月15日午後2時ごろ、北條さんが顧客の同市中央区の男性(79)方を訪問中、男性に「携帯電話料金が未納」「振り込まないと裁判になる」と29万円を要求する電話があった。特殊詐欺を疑った北條さんは電話を代わり、「詐欺だろう」と言って電話を切り通報した。

 セブンイレブンさいたま八王子5丁目店では、4月15日午後2時ごろ、中央区の80代男性が「6億9千万円もらえると言われ、電子マネーを購入したい」と来店。宮内さんと大貫さんが相談して通報し、被害を防いだ。

 北條さんは「男性は信じ込んでしまっていたので、被害を防げてよかった」と笑顔。宮内さんは「従業員が適切な行動を取れた」と振り返り、大貫さんは「自分でも詐欺に気付けるんだと自信が付いた。これからも警戒したい」と話した。

 池田賢次署長は「社会全体で詐欺を防ぐ意識が高まっている」と協力に謝意を示した。

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