中国の専門家、フィリピン大統領の発言に反論

中国の専門家、フィリピン大統領の発言に反論

5月31日、第21回「アジア安全保障会議」の会場。(動画のスクリーンショット、シンガポール=新華社配信)

 【新華社シンガポール6月2日】中国人民解放軍軍事科学院の何雷(か・らい)元副院長は5月31日夜、第21回「アジア安全保障会議(シャングリラ会合)」が開かれているシンガポールで記者説明会に出席し、フィリピンのマルコス大統領が会議で黒を白と言いくるめ、世間を惑わす発言をしたとして、断固とした反対を表明し、反論した。

 何氏は次のように述べた。南中国海の島や岩礁を巡る紛争をいわゆる「国際仲裁裁判所」に提訴したこと自体が「南中国海各国行動宣言」第4条の関連規定に違反し、「国連海洋法条約」締結国としての中国の権利を侵害している。臨時に設置されたいわゆる「国際仲裁裁判所」と仲裁も国際法と関連規則に反している。

 中国は一貫して国際ルールはごく少数の国の「内輪の取り決め」ではなく、大多数の国の利益と合理的な要求を反映した法律・法規であるべきだと考えている。中国はこうした規則制定の積極的な参加者で、揺るぎない擁護者であり、模範的な遵守者でもある。理解できないのはルールに違反し、ルールを破る国が逆ねじを食わせ、黒を白と言いくるめ、ルールを擁護し、順守する国を中傷、攻撃していることである。そのような道理が世の中のどこにあるのか。

 中国は常に、全ての国は大小、貧富、強弱を問わず平等だと考えている。中国は決して弱い者いじめをせず、一度も弱い者いじめをしたこともないが、常に超えてはならない一線があり、原則を重んじており、一部の国が勝手気ままに悪事を働くことも決して許さない。

 フィリピンの真意は東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心的地位を守ることではなく、米国との軍事同盟の強化にある。南中国海の平和と安定を守るというのもうそで、実際は陣営の対立に熱中している。マルコス氏は演説でASEANの中心的地位を守ると表明しながら、ASEANを離れ米比日豪の「小部隊」を作り、米比軍事同盟を強化するとともに、南中国海で米比日豪による合同軍事演習や米比合同軍事演習「バリカタン」を実施し、地域のルールを破壊している。

 南中国海問題が引き起こされたのは、それら域外国が挑発し、唆したことによるところが大きい。これら域外国こそ南中国海問題の仕掛け人であり、製造者である。決してオオカミを部屋に招き入れてはならず、下心を持ち、私利をむさぼり、南中国海が混乱しないことを恐れる域外国が南中国海問題に介入し、手を出すことを決して許してはならない。

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