「好転」に貢献し、カーディナルスの一員として引退することを望むRBコナー

アリゾナ・カーディナルスのジェームズ・コナー【AP Photo/Matt Slocum】

アリゾナ・カーディナルスのランニングバック(RB)ジェームズ・コナーはNFLキャリア7年目にあたる2023年シーズンに、自身初の1,000ランヤード超えを達成した。

カーディナルスが優勝争いに復帰するのを後押しし、契約最終年以降もチームにとどまる価値が自分自身にあることを証明するために、コナーは昨季と同じ、あるいはそれ以上のことを成し遂げなければならないだろう。

チーム公式サイトによると、コナーは先日、「ここでキャリアを終えられたら最高だけど、何も変わらない。どちらかといえば、契約最終年を迎えるにあたって、さらに調子を上げていく時期だということ。最後の1年に取り組む機会があることに感謝しているから、全力で臨むつもりだ。来年がどうなるかは分からない。できればとどまりたいけど、これがビジネスだってことは理解している」と話したという。

29歳になったコナーは、崖から落ちるのを避けたいランニングバックにとって危険なゾーンに入りつつある。シーズン最後の5試合で7回のトータルタッチダウンを記録し、その間の3試合で100ランヤードを稼いだほか、シーズン最終戦で200スクリメージヤードを突破した昨季は、そのような状況にまったく追い詰められていないように見えた。

コナーが昨季に記録したランヤード(1,040ヤード)とキャリー平均ヤード(5.0ヤード)はいずれもキャリアハイとなっている。

しかし、コナーがプレーしているポジションは気まぐれなものだ。コナーの年齢に近いランニングバック――デリック・ヘンリーやアーロン・ジョーンズ、オースチン・エイケラー――は皆、それぞれのチームで長年にわたって素晴らしいキャリアを築いた後、2024年に新しいチームに加入している。

コナーはピッツバーグ・スティーラーズでの4年間を経て、2021年シーズンを前にカーディナルスと契約。

カーディナルスの一員として初めて臨んだシーズンに、コナーは752ランヤード、375レシーブヤード、トータルタッチダウン18回を記録し、キャリアで2度目のプロボウルに選出されている。チームが11勝を挙げ、6年ぶりにプレーオフ進出を果たすのを可能にする火付け役となった。

とはいえ、カーディナルスはその後、調子を落としており、この2シーズンはそれぞれわずか4勝にとどまっている。

“さらに”調子を上げていく中で、コナーはカーディナルスの運命を変えるべく、2度目の後押しをすることを目指している。今回はその勢いを持続させたいものだ。

「ここで状況を好転させたい」と語ったコナーは「うちは素晴らしいフットボールチームだし、本当に指導が行き届いているから、それを自分たちの記録やプレーに反映させたい。俺は声を上げたい」と続けている。

現在のカーディナルスは、地区内でワーストからトップに躍り出るようなことができると喧伝(けんでん)されているチームではない。特に、昨季に被得点でNFL内ワースト2位になったディフェンスは、飛躍する必要があるだろう。一方で、オフェンスにはいくらか勢いがあるように見える。

2022年シーズンにACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂してからさらに1年を経て、クオーターバック(QB)カイラー・マレーはドラフト全体4位で指名を受けた新人ワイドレシーバー(WR)のマーヴィン・ハリソンJr.や、調子を上げているタイトエンド(TE)トレイ・マクブライドといった武器を自由に使える状態だ。コナーはバックフィールドで、そうした選手たちの負担を軽減するだろう。また、これまですべてのシーズンで複数の試合を欠場してきたランニングバックとして、コナーはドラフト3巡目指名を受けた新人RBトレイ・ベンソンと役割を分担することで大きな恩恵を受けるはずだ。

それらの要素が2024年に意外な結果をもたらせば、次のオフシーズンには、コナーがより大きな成功を積み重ねるためにチームに戻ってくるかどうかが、バックフィールドに関する話題の中心になるだろう。

【RA】

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