セルフレジを導入する店舗が増えている
セルフレジとは、顧客自身で購入する商品のバーコードを読み取り、精算まで行うPOSレジシステムのことです。
近年セルフレジを導入する店舗が増えており、買い物がしやすくなったと感じる方がいる一方で、有人レジのほうがよかったと感じる方も多くいます。そこで、企業がセルフレジを導入する理由と、消費者がセルフレジをどう思っているのかについて解説します。
店舗がセルフレジを導入する理由
スーパーやコンビニでセルフレジを導入する理由は、主に次のとおりです。
__●業務の効率化
●人件費の削減
●衛生面
●多様化する支払い方法への対応__
セルフレジは顧客自身で精算を行うため、業務の効率化や人件費の削減効果が期待できます。現金以外にもクレジットカードや電子マネー、QRコード決済など数多くの支払い方法に対応可能です。
また、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行から、顧客とスタッフとの接触が少なく、感染症対策に有効だと思われる点もセルフレジを導入する理由に挙げられるでしょう。
顧客はセルフレジをどう思っている?
株式会社MS&Consulting(東京都中央区)が2023年1月に行った調査「『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?」(調査対象:20~59歳の男女1086人)によると、消費者のセルフレジがあるお店に対する印象は図表1のとおりです。
【図表1】
株式会社MS&Consulting「 『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?」より筆者作成
調査の結果では、特に何とも思わないと感じる方が50%以上を占めていました。スーパーにおいては、セルフレジがあることに好印象を抱く方が31%、若干抵抗がある方が14%と好印象が多いことが分かります。
セルフレジを選ぶ主な理由は、次のとおりでした。
__●混雑しておらず時短になる
●品数が少ない場合は手間が少ない
●人の目を気にせず、自分のペースで会計ができる
●店員とのやり取りをしなくてよい__
一方で、有人レジを選ぶ理由は、主に次のとおりです。
__●セルフレジの操作が分からない
●店員さんのほうが早く会計ができる
●人がいると安心感がある
●クーポンや商品券などを利用しやすい
●品数が多い場合は店員さんにお願いしたい__
品数が少ない場合はセルフレジ、品数が多い場合は有人レジと使い分けをしている方もいるようです。
顧客がセルフレジを利用するメリットとデメリット
セルフレジを利用する方は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。セルフレジのメリットとデメリットについて解説します。セルフレジの導入はメリットがある一方でデメリットもあるため、両方しっかりと確認していきましょう。
メリット
顧客にとって、セルフレジの主なメリットは次のとおりです。
__●レジを待つ時間を短縮できる
●店員さんと接触しなくてすむ
●決済方法が選べる__
お昼どきや夕方などの混雑する時間帯だと、レジを待つ長蛇の列ができることもあるでしょう。そのようなときにセルフレジを使用すれば、レジを待つ時間を短縮できます。品数が少なければ、すぐに会計できてスムーズです。
さらには、店員さんと接触が少なくなるため、感染症対策になると考える方もいます。決済方法も現金やクレジットカード、QRコード決済などから選べるため、非接触で決済したい方にもおすすめです。
デメリット
セルフレジには顧客にとってもメリットが数多くある一方で、次に挙げるデメリットもあります。
__●操作が難しいと感じる方がいる
●店員さんとのコミュニケーションが少なくなる__
セルフレジは、商品のスキャンを自身で行わなくてはいけません。スーパーやコンビニなどでレジ経験がある方にとっては慣れた作業でも、経験がない方にとっては難しいと感じる方もいるでしょう。
また、セルフレジ付近にスタッフを配置して、操作が分からない方などには手助けしてくれますが、商品についての質問やアドバイスがもらうことがしづらくなるので、よく行くお店で店員さんと話したいという方には不満があるでしょう。
少ない商品から少しずつセルフレジを試してみよう
セルフレジを導入することで会計をスムーズに行える、レジ待ちのストレスから開放されるなどのメリットがあります。店側にとっては、有人レジとセルフレジを設置することで、店員さんの業務効率化も図れるため、レジ以外の業務に時間を割くことが可能です。
セルフレジが苦手な方は2〜3点の少ない商品から、少しずつ試してみることをおすすめします。商品をスキャンして決済方法を選び、会計するまでの流れを何度か練習するうちに、セルフレジに対する抵抗も少なくなるため、ぜひ一度試してみてください。
出典
株式会社MS&Consulting DXのミライ セルフレジ編 『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー