ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」地上設備側の問題で再び打ち上げ延期

United Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)は日本時間2024年6月2日未明に同社の「Atlas V(アトラスV)」ロケットによるBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」の打ち上げを予定していましたが、発射まであと数分というところで中断され、打ち上げの延期が発表されました。【最終更新:2024年6月2日7時台】

【▲ ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」が搭載されたユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケット。アメリカの現地時間2024年6月1日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

スターライナーはスペースXの「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともにアメリカ航空宇宙局(NASA)のCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船で、これまでに2回の無人飛行試験が実施されています。今回は有人飛行試験ミッション「Crew Flight Test(CFT)」としてNASAのBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士が搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)での短期滞在が予定されています。

ULAやNASAによると、スターライナーを搭載したアトラスVは日本時間2024年6月2日1時25分(アメリカ東部夏時間2024年6月1日12時25分)に打ち上げられる予定でしたが、地上設備側の問題により発射3分50秒前にカウントダウンが中断され、問題に対処するために延期されることになりました。次の打ち上げ機会はアメリカの現地時間2024年6月5日から6日だということです。

CFTのスターライナー打ち上げは延期が繰り返されています。日本時間2024年5月7日には発射2時間前までカウントが進んだものの、アトラスVの上段(2段目)「Centaur(セントール)」の液体酸素リリーフバルブで問題が確認されたため延期が決まり、ULAがバルブの確認と交換を実施。続いてスターライナーのサービスモジュールに組み込まれている姿勢制御システム(RCS)で検出された少量のヘリウム漏れに対応する必要が生じたため、日本時間2024年6月2日まで再延期されていました。

次の打ち上げ目標日時などスターライナーのCFTミッションに関する新しい情報については改めてお伝えします。

Source

  • NASA – NASA, Mission Partners Forgo June 2 Launch of Crew Flight Test
  • ULA – Atlas V Starliner CFT
  • Boeing – NASA, Mission Partners Forgo June 2 Launch of Starliner Crew Flight Test

文・編集/sorae編集部

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