「レス部隊」キム・ソンチョル、役作りへの努力を明かす“オリジナリティを出すために工夫した”

写真=ACEMAKER MOVIE WORKS

俳優キム・ソンチョルが、ソウル三清洞(サムチョンドン)のカフェで行われたOSENとのインタビューで、「最近は(様々なチャンネルで)メディアが発展したように思います。過去には情報に接することができるのが新聞しかなかったのですが、だんだん発展してインターネットができたんですね。今やInstagram、YouTubeなど、たくさんのプラットフォームができました。なので、そこから来る情報をさらに信用できなくなりました」と語った。

映画「レス部隊」(監督:アン・グクジン、提供・配給:KCベンチャーズ(株)、(株)ACEMAKER MOVIE WORKS、制作:(株)映画的瞬間)は大手企業に対する記事を書き、出勤停止(停職)処分を受けた記者のイム・サンジンに、ネット世論操作についての情報を提供する者が現れることから繰り広げられる物語を描く犯罪ドラマだ。2015年に出版された作家チャン・ガンミョンの同名の小説を原作としているが、アン・グクジン監督は自分が取材した内容を加えて映画的に構成した。

劇中、キム・ソンチョルはオンライン世論を操作する“チーム・アレッブ”のリーダーであるチンパッキング役を演じた。

この日、彼は今作への出演を決定した過程について「昨年、制作が入る映画がほとんどなかったんです。シナリオ自体も少ない中で、このシナリオをもらいました」とし「僕が初期に読んだシナリオは、かなり刺激的なものだったんです。現在完成された映画よりも、ずっと生々しいキャラクターだったので、『このようなキャラクターに挑戦してみた方がいい』と思いました。その時、(他のキャラクターの)キャスティングがすでに終わっていたので、すぐにやると言いました」と語った。

キム・ソンチョルは、チンパッキングのビジュアルにもオリジナリティを出すために工夫したという。「準備されている写真をたくさん見ました。僕が当時、他の作品も撮影していたので、ツートンカラーにカラーリングするのはできなかったんです。ツートンカラーにするのであれば、長い髪をつけようと思いました」とし「チンパッキングのキャラクター自体が、(感情や考えを)表現するのに未熟な人物です。彼が自分の噴出欲求を赤毛で表現していると思いました。僕は実際にそのような髪型をしたことがなく、これからもしないので、変身した時は違和感がありました(笑)。でも、その髪型に合わせてキャラクターの話し方や表情が自然に出来上がりました」とし、役作りへの努力を伝えた。

また「チンパッキングは頭が良いです。僕はチンパッキングほど賢くはないんですが、僕も瞬発力が良く、空気を読むのも速いほうです。状況判断が早いほうなので、そのような部分を取り入れて、キャラクターを表現してみました。このキャラクターが持っているカラーが、自分の中に入ってくる感じがしました。チーム・アレッブのメンバーは(劇中でも)本名を名乗らないので、それぞれが好きな名前にしました。でも、その名前も本物なのか偽物なのかわからないように設定されています。撮影中に僕たち同士で『この名前は本物かな?』という話もしました」と明かした。

続けて「想像だけで作られたキャラクターなので、このキャラクターを構築するのが実は難しくて、監督や出演する俳優たちとたくさん話し合いながら撮影しました」と、周囲の協力に感謝の気持ちを伝えた。そして「キム・ソンチョルという俳優が“チンパッキング”を作りましたが、別の作品やより強烈なキャラクターを担当すれば、前作のキャラクターは自分から薄れていきます」と話した。

自分のMBTI(性格診断テスト)については「元々ENFPだったんですが、最近はINFPが出ます」とし「INFPは家にいるのが好きで、横になるのも好きです。僕も家にいるのは好きですが、太る気がするので、横になってはいません」と打ち明けた。

「レス部隊」は、イム・サンジンという社会部の記者が取材をして記事にする過程と、それに対する読者の反応、記事とデマを捏造するネットユーザー、それを阻止するためのとある集団の見えない手が、リアルに描かれた。

キム・ソンチョルは「記者のイム・サンジンがスクープのために、ずっと(デスクの)コンファームを取ります。以前は(どのような内容が)事実かどうかを知るために本当に多くの過程を経て、多くの証拠を収集したと思いますが、今は(確認なしに)そのまま暴露されてしまっていますね」と、真実ではない情報が飛び交う現実に残念な気持ちを打ち明けた。

2014年からミュージカルで活動していた彼は、2017年に韓国で放送されたtvNドラマ「刑務所のルールブック」のポプジャ役でテレビメディアにデビューした。

その後、KBS 2TV「to. Jenny」(2018)、tvN「アスダル年代記」(2019)、SBS「ブラームスは好きですか?」(2020)、Netflix「Sweet Home -俺と世界の絶望-」(2020)、tvN「ヴィンチェンツォ」(2021)、SBS「その年、私たちは」(2021)、Netflix「Sweet Home 2」(2023)などに出演し、着実に演技キャリアを積んできた。

キム・ソンチョルは「観客の方々が、映画『梟―フクロウ―』を好評してくださってありがたかったです。その時、『今後はもっと上手にならなければならない』と思いました」とし、感謝の気持ちを伝えた。彼は今年下半期に公開予定のNetflixシリーズ「地獄が呼んでいる」シーズン2で全世界の視聴者に会う予定だ。同作では、新真理会の初代議長チョン・ジンス役を演じる。

キム・ソンチョルは「昨年、ミュージカル『デスノート』『モンテ・クリスト』『シェイクスピア』、ドラマ『地獄が呼んでいる』シーズン2まで4本の作品に出演し、何か完成したような気がしました」とし「ミュージカルは、人々と一緒に作っていく雰囲気です。音楽が与えてくれる力があるので、それさえ追っていけばとても面白いです。ミュージカルをすると、とても楽しいですし、ワクワクします」と笑顔で話した。

映画のジャンルについては「映画は額のしわ、唇の震えまで細かく捉えられ、よりディテールにアプローチします。でも、(公開後は公演とは違って)観客の全ての表情を見ることができないのが残念です。一方で、ドラマは映画よりも(撮影スケジュールが)厳しいので、それに合わせて素早く動きます。放送された時に視聴者の反応をすぐ見ることができるので、良いことだと思います」と比較した。

多くの作品に出演した彼は「今がちょうどいいです。人気がもっと上がってほしいという気持ちはありません」と話した。

続けて「外を歩いてもあまり気づかれません。去年は1年間ずっと公演をしていましたし、(テレビやスクリーンに)出演した作品はありませんでした。僕は散歩をするのが好きですが、外を歩いていても全く気づかれません。でも、『レス部隊』のPRのためにあちこちに出演したら、少しずつわかってもらっています。今に満足しています」と伝えた。

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