「自殺します」、フェンス乗り越えようと 横浜港関係者、腕つかみ止める

鴇田副署長から感謝状を受け取った(右から)永井さん、岡田さん、松本さん=横浜市中区、横浜港大さん橋国際客船ターミナル

 自殺しようとしていた男性を説得して助けたとして、横浜水上署は5月27日、ともに横浜港振興協会の職員永井元さん(49)と岡田禎理さん(50)、警備員の松本康次郎さん(30)の3人に感謝状を贈った。

 署によると、大桟橋を出航するダイヤモンド・プリンセス号を見送る恒例イベントが行われた16日、永井さんはターミナル屋上で周囲の観光客らに黄色いタオルを配っていた。20代男性にタオルを渡そうと声をかけると、男性は「自殺します」と言い、フェンスを乗り越えようとしたという。

 永井さんは慌てて男性の腕をつかみ、異変に気付いた松本さんも加わって必死に男性を止めた。近くにいた岡田さんが110番通報し、3人で男性の話に耳を傾けながら説得していると、男性は次第に涙を流し思いとどまった。その後、駆け付けた署員が対応した。

 永井さんが「男性を家族に会わせることができてよかった」と話せば、岡田さんは「未然に自殺を防ぐことができて誇らしい」。松本さんは「助けている時は無我夢中だった。かけがえのない命を救えた」と笑みを浮かべた。

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