冷めてしまったお風呂、「追い炊き」と「溜めなおし」ではどちらが節約になる?

追いだきとお湯のためなおしはどちらが得?

お風呂を沸かしてもすぐに入れないときは、追いだきかお湯のためなおしをするケースが多いでしょう。
追いだきやお湯のためなおしをすると、水道代やガス代がかかります。

今回は、追いだきとお湯のためなおしにかかる費用を比較していきます。
なお、比較するにあたって、条件は以下の通りです。

__●東京の平均水道温度である17度の水を40度まで上げる
●お湯の量は200リットル
●ガス料金はプロパンガスを使用するとし、料金は1立方メートルあたり715円
●ガスの熱量は2万4000キロカロリー
●水道代は東京都水道局が示している目安の1リットルあたり0.24円
●ガス代の計算式は「(40度-17度)×200リットル÷(2万4000キロカロリー×熱効率)×715円(ガス単価)」
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追いだきをしたときの費用

今回追いだきは、あくまで残り湯を温めるだけで、追加でお湯は足さないものとします。
そのため、水道代はかかりません。
また、お湯が水道温度である17度に冷めるまで時間が経過しているとします。

追いだきのガス代は、熱効率を75%としたうえで計算します。
計算式より「23度×200リットル÷(2万4000キロカロリー×75%)×715円」となり、ガス代は約183円です。

ためなおしをしたときの費用

水を浴槽にためると「200リットル×0.24円」により1回につき48円かかります。

また、お湯をためなおすときの熱効率を80%として計算すると「23度×200リットル÷(2万4000キロカロリー×80%)×715円」となるため、ガス代は約171円です。

水道代とガス代を合わせると、1回お湯をためなおすのに約219円かかります。

つまり、ガス代だけで見るとお湯をためなおしたほうが安くなりますが、水道代も合わせると追いだきのほうが安上がりです。
ただ、少しでも節約をしたいのなら、お風呂が沸いたらなるべく早く入るほうがよいでしょう。

お風呂でできる節約方法は?

お金を少しでも節約するには、お風呂が沸いたらすぐに入浴する以外にもシャワーの使用時間を短くする方法があります。

経済産業省資源エネルギー庁によると、45度のシャワーを1分短く使用するだけで、年間約3210円の節約が可能です。
仮に10分短縮したとすると、年間3万2100円の節約になります。

また、お風呂のふたをこまめに閉めておくと、温度の低下を防いで追いだきの際のガス代をより軽減できます。

例えば、先述したガス代を求める条件でお湯が30度の状態で追いだきをすると「(40度-30度)×200リットル÷(2万4000キロカロリー×75%)×715円」となり、ガス代は約79円です。
17度で追いだきした場合と比べると、1回につき104円安くなります。

結果からも、なるべく保温をしたほうが追いだきをしたときのお金を節約できることが分かります。

追いだきのほうがお湯のためなおしより節約になる可能性がある

今回の検証により、もしお風呂のお湯が冷めてしまったときは、お湯をためなおすよりも追いだきのほうが少し安くすむことが分かりました。
少しでも安くしたいのであれば、追いだきを活用するとよいでしょう。

ただ、できるならお風呂が沸いてすぐに入ったほうがよりガス代を安くおさえられます。

さらに、シャワーの使用時間を短くしたりお風呂のふたをなるべく閉めたりすると、より多くの節約が可能となるでしょう。

出典

東京都水道局 水源・水質 水道水の水温
東京都水道局 くらしと水道 水の上手な使い方
経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 風呂・トイレ

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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