ヴェゼルの走りが新作アルミホイールで激変!実効空力を磨いたS660はもっと気持ちいい!!【Modulo 30th Anniversary EXPO スペシャルレポート】

ホンダアクセスの「モデューロ」は、ホンダ車と一体開発し、車両開発と同様の品質や信頼性、安全性を重視したホンダ純正のアクセサリーブランドである。ブランド30周年を記念し、その歴史を紹介する展示や当時のパーツを装着した「S2000」「NSX」の試乗、モデューロ独自思想の実効空力、さらに新作アルミホイールを試す機会が設けられた。

実効空力と剛性の最適化で、走りの愉しさを極める

モデューロブランドの歴史は、1994年のビガー用のアルミホイールから始まった。

1994年にマイナーチェンジしたビガーの登場に併せて、モデューロブランドを冠したアルミホイールが誕生した。

当時はインチアップの需要に応える形だったが、95年に道路運送車両法の改正により、車検規制が緩和されたことでホイールだけでなく、スポーツサスペンション、エアロパーツまで開発。

99年にはエアロパーツブームが到来してラインナップを拡大。エアロパーツとサスペンションもモデューロブランドとして展開していくことになった。

一方で、空力を意識したエアロパーツやサスペンションの性能を損なわないホイールといった、走りの愉しさを高めるパーツの開発も進めていた。

01年にはS2000用に「実効性のある空力効果」をもたせたエアロパーツ、そして08年には現在の実効空力に繋がるエアロのコンセプトモデルを開発、13年にモデューロXが誕生する。ホイールも進化を重ね、15年にはS660専用の“剛性を最適化”したアルミホイールも生まれた。

そんな歴史を商品開発者に教わりながら、実車で改めて性能を体験するのが今回の趣旨である。

S2000のパーツ装着車。絶版品だが、再販希望者も多いはず。

日常的な速度域で、効果を体感できるのがポイント

まずはS660×モデューロXで実効空力を試す。通称「ぬりかべ」と呼ばれるノーマルバンパーに箱が付いた状態で試乗し、風がどれだけ走りに影響を及ぼすのかを体験する。

ぬりかべ仕様。どこかレゴ的な?

明らかに抵抗を感じて走りづらく、速度を上げれば、挙動が乱れそうな不安を感じる。次にノーマルバンパーに戻して走ると、気持ち良く曲がるS660の良さを再確認。

そして最後はモデューロXへ。すると、定常円を描くためにハンドルを切った瞬間から後輪の接地感が違う。しかもノーマルと同じ速度、同じ舵角ではインへ巻き込んでしまうほど曲がる。そんな……。

最後に走ったモデューロX。同じコースを同じぐらいの速度で走ってみると、その効果は歴然。40〜60km/hでも体感できるのが驚きだった。

そこで少し速度を上げてみれば、しっかりとタイヤがグリップしてくれるので、速度域がどんどん高まる。恐るべし実効空力の世界。

次はヴェゼル用の新作ホイール。純正と径もリム幅も同サイズでタイヤも同じ銘柄を履く。ノーマルでもスポーティだが、乗り換えると、曲がる、曲がる。

ホイールしか変えていないはずなのに違う銘柄のタイヤに履き替えたのではないかと感じるほどだ。「ホイールもサスペンションの一部」と考えるホンダアクセスでは、ホイールをしならせることでタイヤの接地面圧を高めているという。

こういったパーツは、通常サーキット走行など速度の高い領域でしか効果が出ないようにも思える。しかし、今回の試乗では最高でも60km/h程度しか出していない。日常域でも体感できるのがモデューロパーツの凄さである。(文:中村圭吾MotorMagazine編集部/写真:永元秀和)

年内発売予定のシビック標準車専用のテールゲートスポイラーも展示。鋸刃形状の実効空力デバイスを搭載する。
ヴェゼル用の18インチアルミホイールMS-050。リム部とスポーク部の剛性バランスが最適化されている。

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