クリス・ヘムズワースが明かす『マッドマックス:フュリオサ』舞台裏

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『マッドマックス:フュリオサ』でフュリオサの宿敵ディメンタス将軍役を演じるクリス・ヘムズワース。〝ヒーロー〞のイメージが強い彼がどのように狂気の悪役になりきったのか、その舞台裏を明かします。

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クリス・ヘムズワース プロフィール

1983年8月11日、オーストラリア・ビクトリア州生まれ。母国で俳優としてキャリアをスタートさせ、J・J・エイブラムス監督の『スター・トレック』(2009)でハリウッド進出。『マイティ・ソー』(2011)の主演に抜擢され、以後“アベンジャーズ”のオリジナル・メンバーとしてMCU作品で中心的な役割を担う。

次回作はアニメーション映画『トランスフォーマー/ONE』で、オプティマスプライム役で声の出演。

子どもの頃に『マッドマックス』を観て「俳優になりたい」と思ったんだよ

──ジョージ・ミラー監督の作品は同じオーストラリア人として、また俳優としてのあなたにどのような影響を与えましたか?

子ども時代に一番影響を受けたのは『クロコダイル・ダンディー』(1986)と『マッドマックス』(1979)だった。この2つを見て『俳優になりたい』と思ったんだよ。『マッドマックス』を見たあとに、作品に出てきたバイクや車など、ジョージが作りだした世界について父と語り合ったことを懐かしく思い出す。父はその頃バイクのレースをしていたので、スタントマンの知り合いもたくさんいた。

だから何年もたった今、自分がその世界の一部になるなんて、夢みたいだ。ワクワクする気持ちは、初めてあの映画を見たときと同じだね。

──『マッドマックス:フュリオサ』の脚本を初めて読んだときにどう思いましたか?

すごく感銘を受けた。普通の脚本じゃなかったんだ。絵コンテが付いていて、絵と小説仕立ての文章で読めるようになっていた。セリフとト書きもあったけどね。なぜみんながこの方法を取らないのかわからないよ。作品の世界に深くのめり込むことができるし、理解も深まるんだ。

──あなたは何をカギにしてディメンタスというキャラクターを演じましたか?

最初のミーティングは撮影開始の何年も前だった。歴史上の独裁者や支配者の心理や哲学を分析して(ディメンタスとの)共通点を捜した。彼らは自分を全知全能の神のように見せかけて民衆を支配する。『君たちの苦しみも恐れも全部私は知っている。そして私はそれを解消することができる』とね。独裁者に共通するそれらの特徴を役に取り入れたかった。

どんな口調でどんな内容の話をするのか。身体的特徴はどうか。荒れはてた地における皇帝はどんな衣装を身につけ、どんなふうに動くのか。バイカー軍団や民衆を奮い立たせるためには、どのようなカリスマ性が必要なのか。そんなことを話し合ったよ。

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──アニャ・テイラー=ジョイは狂気の世界で戦う孤高の存在を演じるわけですが、あなたの演じる暴君との関係をどのように作り上げましたか?

彼女はすばらしかった。荒れはてた地で生き延びるために、彼女は傷つきやすさや恐怖心を無理やり押さえ込んでいる。ほんのわずかでも感情や弱さを見せられないんだ。だが彼女の中では感情、強さ、経験、知識といったものが湧き上がり、あふれそうになっている。わずかな言葉や動作で多くを表現できる人は少ないが、彼女はその一人。

彼女が完全に役に没入し、嫌悪感や怒りを表現してくれたおかげで、僕の演じるディメンタスもそれに応えることができた。2人でアイデアを投げ合ってキャラクターを成長させていく過程が最高だった。

──相当長い時間をメイクにかけたそうですね。役作りに影響しましたか?

午前3時にホテルに迎えが来て、それからメイクに4時間。怒りをため込んで、カメラの前で爆発させるのには役立ったね(笑)。不動で座っている訓練になったよ。僕はすぐに気が散って、じっとしていられないたちなんだが、メイク中は動けないから、役についてゆっくり考えることができた。

──最後に、この映画を観た人にはどんな体験が待ち受けているのか教えてください。観客にこの壮大な旅から何を持ち帰ってほしいですか?

この映画はシリーズの他の作品と比べても異色。過去作品は短期間の話だったけれど、これは15年の長期にわたる物語だからね。シェークスピア的とも言える。イモータン・ジョー、ディメンタス、フュリオサの3人が知恵を絞り、ガスタウンや弾薬畑、そして砦の資源をめぐって生きるために戦う話だ。

エネルギッシュでアドレナリン全開のアクション映画だが、キャラクターが深く描かれているストーリーでもあるんだ。たくさんの人に見てほしいね。

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