韓国MVPがメジャーで躍動「2.5」 失敗したドラ1のはずが…2か月で抜き去った6年の過去

ホワイトソックスのエリック・フェッディ【写真:ロイター】

2023年はKBOで投手3冠&MVP→オフに2年23億円で出戻りした

“都落ち”した元ドラ1が、韓国を経て才能を開花させている。ホワイトソックスのエリック・フェッディ投手は5月31日(日本時間6月1日)、敵地ブルワーズ戦に先発。5回9安打4失点で勝ち負けつかずに終わったが、今季12先発で4勝1敗、防御率3.12を残している。さらに勝利貢献度「WAR」はメジャー6位の2.5と驚きの数字だ。

もっとも、フェッディの活躍を期待していた人は多くなかっただろう。2014年ドラフト1巡目(全体18位)指名でナショナルズに入団した当初は、球界有数の有望株右腕と評価され、2017年にメジャーデビュー。しかし、毎年結果を残せず、通算6年で21勝33敗、防御率5.41。2021〜2022年は2年連続で防御率5点台に終わり、同年オフにFAとなると引き取り手はなく、韓国プロ野球(KBO)へ活躍の場を移した。

しかし、これが大きな転機になった。韓国移籍1年目で20勝(6敗)、防御率2.06、204奪三振の成績でシーズンMVP&投手3冠。韓国のサイ・ヤング賞に相当するチェドンウォン賞を受賞し、わずか1年後の2023年オフに2年1500万ドル(約23億円)でホワイトソックスと契約を結ぶに至った。

近年では日本や韓国で好成績を残し、MLBに返り咲く投手も多い。KBO経由の例では、2023年WBC米国代表に選ばれ、決勝の日本戦に先発したメリル・ケリー投手(ダイヤモンドバックス)は米復帰後に3度の2桁勝利の活躍を見せている。

フェッディは開幕前に地元紙「シカゴ・サンタイムズ」のインタビューに応じ、成長できた要因として変化球のレパートリーを変更を挙げた。ゴロの割合が大幅に上昇し、自分のスタイルに合った投球術を発見し、KBOで自信をつけることができたという。

米データサイト「ベースボール・リファレンス」のWARを見ると、フェッディは2017?2022年までの通算が0.3だった。しかし今季は、投手メジャー6位の2.5と、わずか2か月足らずで6年間をぶち抜いた格好だ。今季ホワイトソックスは15勝44敗と低迷し、夏場のトレード戦線で主力放出の可能性が報じられている。声価を高めたフェッディも、今後も好投を続ければ、後半戦は別の球団でプレーする可能性もあるだろう。(Full-Count編集部)

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