美術展「菱田春草と画壇の挑戦者たち」 美術館「えき」KYOTO 京都市下京区

革新的な表現を求め続けた近代の日本画家・菱田春草の画業を辿る展覧会が、京都市下京区の美術館で開かれています。この展覧会は菱田春草の生誕150年を記念するもので、会場には伝統的な日本画に画期的な技法を取り入れて、数々の傑作を生みだしながらも36歳の若さでこの世を去った春草の作品を中心に、横山大観などゆかりの深い作家の作品44点が展示されています。日本画を描く際に重要視される「線」の表現にこだわった春草は、これまでの日本画に見られなかった色を重ねる技法などを使って輪郭をはっきりと描かない画風を生み出しました。その代表作のひとつ「月下白鷺」は、一見、余白とも見えるところに、光や空気といった自然の情景を描き出す春草の特徴が表れています。春草の画業の変遷を紹介する「菱田春草と画壇の挑戦者たち」展は、京都市下京区の美術館「えき」KYOTOで7月7日まで開かれています。

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