英語圏のTikTokでは昨今、「フレンド・ディクショナリー( Friend Dictionary)」が流行している。
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「フレンド・ディクショナリー」とは、日本語に直訳すると「友だち辞書」。
実際の辞書には載っていない単語だが、友人の間で日常的に使用されている独特の言い回し、内輪でしか通じないことばのことを指す。
フレンド・ディクショナリーは、必ずしも友人同士である必要はない。親しい間柄、双子(Twin)やきょうだい(Sibling)、カップル(Couple)の場合は、「〇〇・ディクショナリー」と呼ばれる。
たとえば、米ニューヨーク在住のチェルシーさんとアマンダさん姉妹(Sister)は、「シスター・ディクショナリー」と題し、お互いにクイズを出し合う様子を投稿した。
動画冒頭、チェルシーさんが出題し、アマンダさんが単語を答える様子が映っている。
チェルシーさんが「凍えるほど寒くはないけど、少し肌寒いとき、何という?」と質問すると、アマンダさんは「Chilean Sea Bass」と即答、正解した。
「Chilean Sea Bass」は日本語に直訳すると「チリ産のシーバス(=魚のスズキ)」を意味する。第三者からすると、意味はないが、2人の間では「少し肌寒いとき」に使う造語だという。
今度はアマンダさんがチェルシーさんに出題。
「朝、目覚めたとき、のどがイガイガしています。寝返りを打ったまま、ベッドサイドに置いた水をとることを何という?」という質問に、チェルシーさんは、「Thick Throat(="のどが太い")」と答え、こちらも正解のようだ。
なお、紹介した2つのことばに、このような定義はなく、英語の辞書にも記載はない。あくまでも、2人の間だけで通じる言い回しであることが特徴だ。
チェルシーさんは、米NBCテレビに対し、「私とアマンダには、共通のバックグラウンドがあります。内輪でしか通じない冗談や言い回しは簡単だし、私たち独自のコミュニケーションとして機能しています」と語る。
チェルシーさん(左)とアマンダさん(右)
言語学を専門とするニコール・ホリデイ氏は、フレンド・ディクショナリーが、他者との関係性を築くうえで、重要な役割を果たすと指摘している。
「(独特な言い回しは)あなたの親密さや、コミュニティにおけるあなたの役割を確立するものにもなり得る」
「なぜなら、私が発した"秘密のことば"があなたに通じれば、それはあなたと"秘密"を共有できたことを意味するからです」
「私たちだけに通じる表現は、一緒に過ごした過去を思い出させ、親密な関係を築きます」