孤立集落想定 物資や要救助者搬送 県ヘリ活用 新庄村が初の対応訓練

孤立集落に届ける物資を村社会福祉協議会職員から受け取る航空隊員(奥の2人)ら

 能登半島地震で孤立集落が多発したことを踏まえ、岡山県新庄村は2日、県と連携して大規模災害による孤立集落の発生を想定した初の対応訓練を村内で行い、県消防防災ヘリコプター「きび」を使った物資や要救助者の搬送手順を確認した。

 村内で震度6弱の揺れを観測し、土砂崩れで道路が寸断され、北部の田浪地区(約10世帯)が孤立状態になったとの想定。県や村職員、県消防防災航空隊員ら約130人が対応に当たった。

 孤立集落発生の一報でヘリは村総合運動公園グラウンドに着陸して非常食などの物資を村社会福祉協議会職員から受け取り、6キロ離れた田浪キャンプ場に急行。上空から航空隊員がロープで降下して物資を届け、要救助者役の村職員を抱えてヘリに引き上げた。

 訓練は、村がヘリ出動を県に依頼して実施した。村民約320人も、村内18カ所の避難場所で避難手順やハザードマップなどを確かめた。

 県危機管理課の難波通高総括参事は「県内でも土砂災害などで孤立集落が発生する可能性がある。今後も市町村と連携して対応を強化したい」と話した。

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