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やはり〝あの男〟の一軍昇格を早めるしか手立てはないのか――。阪神は2日のロッテ戦(ZOZO)に1―0で辛勝し泥沼の連敗は5でストップ。先発の才木が6安打無四死球完封の力投で、11連勝中と波に乗るマリン打線をシャットアウトした。しかし、チーム最大の課題である貧打の解消にはまだ至っておらず、成績不振で二軍調整を余儀なくされている主砲・佐藤輝明内野手(25)の一軍待望論がチーム内外で噴出し始めている。その中で球団OBの間でも見解は真っ二つに割れているが、果たして…。
虎打線の貧打は深刻のままだ。この日、スコアボードに記された得点は、1番打者として起用された森下の初回先頭打者6号アーチによる1点のみ。究極のスミ1勝利と呼べば聞こえもいいが、打線は2回以降、散発2安打とほぼ完全沈黙。相手左腕・メルセデスの攻略に苦戦し、熱投を続ける才木に追加点をプレゼントすることはできなかった。
直近10戦合計でチームが挙げた得点はわずかに17と、1試合平均は2得点にすら満たない。チーム打率2割2分1厘は12球団中11位。昨季のチャンピオンチームとは思えない寂しい数字ばかりが並んでいる。
貧打解消への〝近道〟も、ないわけではない。長引く打撃不振と守備難を問題視され、5月15日以降、ファーム再調整を命じられている佐藤輝の早期一軍昇格だ。虎の悩める規格外砲はここまで二軍戦に13試合に出場し、打率3割、13打点、2本塁打と打棒復調を猛アピール中。だが、すでに二軍でも6つの失策を犯してしまっている通り、守備面での課題はまだまだ残っている。
ある球団OBは「それでも今の阪神打線には佐藤輝の力が必要。長打の怖さがある彼が打線に入れば相手バッテリーに対するプレッシャーも増すはず」と即時昇格を訴える。チームは4日から本拠地・甲子園で6連戦。背番号8の打棒が上向いてきた今こそが絶好のタイミングというわけだ。
だが、別のOBは猛反対。「二軍のピッチャーなんて佐藤輝からしたら〝打って当然〟の相手。強いストレートを投げられる投手も少ないし、どうしても精度の低い変化球で勝負するしかないからね。どれだけ下で数字を残しても、それは昇格への評価材料にはならない」と手厳しく切り捨てる。続けて「それよりもボール球の見極めや、苦手としているインハイへの対応など、彼が抱えている根本的な問題が解決に向かわない限り、急いで一軍へ呼び戻す必要はない。守備難の解消も含めてね。岡田監督は球宴明けまでは彼を二軍に置いておく腹積もりでは」と力説する。
187センチ、96キロの巨漢に秘めたポテンシャルは言うまでもなく球界屈指。だからこそ状態の見極めはどの選手よりも難しい。即時昇格か、我慢の〝長期塩漬け〟か――。指揮官・岡田監督の決断に注目が集まる。