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■稼いだ利益の一部を研究開発に充て一段と技術を磨き上げる。研究開発は失敗もあれば、長期間の赤字から脱却し大きな利益を生み出すこともある。このため、製造業の経営者はキャッシュフローに最善の注意を払い、外部環境を見ながら財務状況と研究開発のバランスを考え適正な研究開発費を決定する。
ある取材先の経営者は「これまで研究開発によって大きな利益を得たが、利益の多くを研究開発費に充ててきた」と振り返る。製品の性能向上、新製品開発のたびに新しいアイデアが頭に浮かんでワクワクして「もっと良い製品をつくりたい」と、エンジニア魂に火が付くようだ。
取材先の経営者は何度も失敗したが、それを乗り越え世界的な技術を確立した。企業の持続的な発展には財務状況の安定化が不可欠だが、エンジニアがワクワクして研究開発に取り組める環境づくりも製造業の責務だ。
楽しんで研究開発に取り組むエンジニアに出会い、私もその魂を読者に伝えていきたい。
■倉科 信吾(くらしな・しんご)知多半島を担当。新鮮な魚、知多牛、知多豚、醸造品、イチゴなど、食が豊富な地域でお気に入りの商品や店舗を探索。最近の楽しみの一つになっている。