元オリ右腕が描く未来「日本に戻りたい」 ヨーロッパで投手コーチに…39歳助っ人の今

欧州代表のアレッサンドロ・マエストリコーチ【写真:小林靖】

マエストリは2012年途中から4シーズン、オリックスでプレーした

2012年から4シーズン、オリックスでプレーしたアレッサンドロ・マエストリは39歳となった現在、チーム・ヨーロッパ(欧州代表)の投手コーチを務めている。その指導の根底には、日本での経験や学びが生かされているようだ。

MLB公式サイトが「『彼はすごい』:象徴的なイタリアの投手マエストリがコーチ・デビュー戦で魅了」との見出しで特集。指導者としてグローバル・ゲームズに戻ってきていたが「9年前は同じ大会で投手として母国イタリアとヨーロッパを代表し、恐れられている日本の打者らと対戦した」と説明する。

2012年途中に四国IL・香川からオリックス入り。史上初のイタリア生まれ・育ちのNPB選手として話題を呼んだ。2014年には36試合で防御率1.97の好成績を残した。2015年に退団後は韓国球界やメキシカンリーグなどを渡り歩き、2020年に現役引退。コーチをするのは昨夏のドミニカン・アカデミー以来で2度目だという。

「コーチをやるとは思っていなかった。身を持って示すタイプ。喋りがあまり得意ではなかったので、コーチ向きとは見ていなかった」とマエストリ。ドミニカン・アカデミーでコーチをした際にはアカデミーの中に住み、全ての時間をコーチ業に捧げていた。

選手の性格によって指示の仕方を変えることに同僚が難しさを感じる中、「なぜかそこは一番簡単だった。多分自分がキャリアの中でとても苦戦した時期があったからだろう。どの選手も楽ではない時期を迎える。それについて共感できなければならない」と選手に寄り添ってきた。

グローバル・シリーズでのチーム・ヨーロッパの投手コーチのオファーを受けた時、最初は動揺しつつ受諾したのは「日本に戻りたい思いからコーチ職を受ける決断をした」からだった。過去に日本の打者と対戦した経験から、敵にどうアプローチするのがベストかについて、自身の見方を共有。3月に行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024」で欧州代表は2連敗したが、第2戦は0-2。投手陣は躍動した。

「マエストリのコーチング、特に日本チームの打者への攻め方についての彼の指示が大きかった」と同サイト。米国では5年間でマイナーどまりだったが、15シーズンの現役生活で得た多くの経験を胸に、新たな道を歩んでいる。(Full-Count編集部)

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