ロッテ・髙部瑛斗「一軍の中心人物になれるようにと思ってやっている」一軍昇格後はさすがの存在感

ロッテ・髙部瑛斗は5月18日に今季初昇格を果たすと、現在3試合連続安打をマーク中で、1日の阪神戦から2試合連続のマルチ安打を記録するなど、昇格後の打率は.333だ。

髙部は22年に盗塁王、外野手部門最多得票でゴールデングラブ賞を受賞したが、昨季は開幕前の3月9日に『右肩甲下筋肉離れ』と診断され、開幕直後の4月29日に『右肩甲下筋損傷』で離脱し、9月1日に『第一肋骨切除術』と故障に泣いた。

完全復活を目指す今季だったが、練習試合の打率は.156(32-5)、オープン戦も打率.000(8-0)で、開幕は二軍スタート。

一軍昇格を目指しファームで過ごしていた4月30日の取材で「1個良いのが出ても、1個、2個悪いのが出てくるので、そこは調子が良くない時の特徴。調子とかを考えず、技術をもう1回作り直さなきゃいけなという段階」と、なかなか打撃の状態が上がってこなかった。

ファームでの打率.234だったが、5月18日に今季初昇格を果たすと、同日の日本ハム戦に代走で出場。「長かったな、、、、打席に向かう時、ヒットを打った後のマリーンズファンの皆さんの歓声に震えました」と、5-4の8回無死走者なしの第1打席、齋藤友貴哉が投じた初球のストレートを三塁線に高いバウンドの安打を放ち復帰後初打席で初安打。

5月22日の西武戦では「結果なので打てたのは良かったですけど、ちゃんと続けられるように。まずは1試合1本。出塁をしっかりできるようにと思ってやっています」と、復帰後初の猛打賞を達成した。

現在の打撃の状態について「変わらずいいところも悪いところも出ているので、試行錯誤しながら今もやっている感じです」と明かした。

試合に出場する中で、いい形が出てきているような感じはあるのだろうかーー。

「(昇格した時は)そこまでめちゃくちゃ良い感じでもなかったんですけど、一軍でやらせてもらって自分のできる範囲でなんとか試合で形になりつつあるところもあるので、そういういいところを伸ばしながら、悪いところを少しずつ時間をかけて良くしている感じです」。

1日の阪神戦では投手のビーズリーが一塁ベースカバーに遅れたとはいえ、なんでもない一塁ゴロを内野安打にすれば、2日の阪神戦でも9回にショートへの内野安打を放った。“足を活かした”打撃も武器のひとつ。「ヒットになって欲しい部分があるので、そこは全力でやり続けるだけかなと思います」。

“足”といえば、ファームでは13盗塁しているが、一軍昇格後は13試合に出場して盗塁は1つ。「いけるタイミングを見計らいながら。全部行けばいいというものではないと思うので、流れ、チームの状況を見ながら。後ろにいいバッターがいるので、そこは無理していく場所ではないのかなと思っています」。

ファームでは積極的に三塁盗塁を試みていたが、そこについては「いけると思ったら狙おうと思います」と頼もしい言葉が返ってきた。

髙部が一軍復帰してからチームは好調。「チームが勝てるための試合の中でのプレーであったりをしていきたい。これから残りの試合全部、一軍の中心人物になれるようにと思ってやっているので、できるようにしっかり1日1日課題を作ってクリアしながらやっていきたいと思います」。チームの中心として活躍していくことを誓った。

取材・文=岩下雄太

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