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秋田市の映像制作会社アウトクロップが4月にオープンさせた複合施設「アトレデルタ」で1日、映画監督やCMディレクターとして活躍する成田洋一さん(63)=秋田市出身、東京都住=によるトークショーが開かれた。アウトクロップの松本トラヴィス取締役(26)と対談し、前半では映画監督を志した経緯などを振り返った。主なやりとりを紹介する。
――誰もが見たことのあるCM作品の数々。何本くらい手がけてこられたのでしょう。
数えていないなあ…。年間30本ペースくらいで作ってきていて、だいたいひと月に3本。多かったときはひと月に10本くらい撮影してきました。たぶん600本はあるんじゃないかな。
――月3本以上というのはすごい。巨匠と言われる理由が分かります。
CMの世界に行ったのは30歳と遅かったんですよ。
秋田高専を3年で辞めて、1浪の後、法政大に進みました。当時CMディレクターやコピーライターが「世の中で一番かっこいい仕事」として、もてはやされていまして。でも、全部落ちたんですよ。それで、CMの仕事は年に1本くらいのモータースポーツなどが専門の小さなプロダクションに入りました。企業用の映像を作る会社でした。それでも、監督になりたくて、言われてもいないのに企画を出していましたね。