カインズと小学校が合同企画 食べて売れるサツマイモへ…児童ら苗植え 収穫に期待、マルシェや農業祭への出品目指す

地元農家やカインズ職員らの指導を受けながらサツマイモの苗を植える児童ら=朝霞市台

 埼玉県の朝霞市立朝霞第九小学校(小林美加校長、児童数391人)の「学校ファーム(畑)」で、2年生の児童らがサツマイモの苗植えを体験する授業があった。農作業を通じて農業や商業の学習への理解を深めてもらおうと、同校近くのホームセンター「カインズ朝霞店」が合同で企画した。

 同校は毎年、「生活科」の授業の一環でサツマイモの苗植えを行っているが、畑の耕作状態などから販売できる作物が育っていない。このため、カインズや地元農家らに協力を依頼。トラクターなどで畑を耕し整備し、食べたり、販売できるサツマイモの収穫を目指す。

 この日の苗植え体験は同校南側に隣接する学校ファーム(約100平方メートル)で行われ、2年生2クラス計約70人の児童が参加した。長さ約14メートルの畝(うね)に1列に並んだ児童らはカインズが準備したサツマイモの苗(長さ約30センチ)を畝を覆ったビニールの穴から土を掘り、植えていた。

 6~10月ごろまでは地元の農家やカインズ職員らが生育作業を継続。11月には児童らがサツマイモの収穫を行うという。

 朝霞市とカインズは2022年11月、包括連携協定を締結。これを受け、同校は23年、カインズとともに正門前の花壇を整備。季節の花を植え替える事業に着手している。今回の苗植えは同校が学校ファームの整備を相談したのがきっかけで、カインズと地元農家らが協力した。

 小林校長は「児童らが植えた苗が育ち、収穫したサツマイモを食べたり、販売するなど農業と商業を通じた食育の過程を知ってもらえればうれしい。将来的にはカインズのマルシェや市の農業祭などに農作物を出品できれば」と収穫に期待を寄せている。

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