佐世保北7年ぶり優勝 空手・男子団体 鮮やか逆転、下馬評覆す 長崎県高総体第2日

【空手男子組手団体決勝、九州文化学園-佐世保北】佐世保北の次鋒山邊(左)が上段突きで攻める=佐世保市、県立武道館

 佐世保北が下馬評を鮮やかに覆した。空手男子組手団体決勝で、優勝候補筆頭に挙げられていた九州文化学園に3-1で逆転勝ち。選手5人は優勝を決めてマットを降りると、仲間たちの歓喜の輪に包まれ、肩を抱き合い、感極まった。
 昨年10月の県新人大会王者を相手に先鋒を落とす苦しい立ち上がり。次鋒山邊は「3年間積み上げてきたことを出せば勝てる。やるしかない」とマットに立った。競技第1日の組手個人で敗れていた石井に、中段蹴り、上段蹴りを続けて決め、7-3で雪辱した。
 主将の中堅諸岡も続いた。同じく組手個人で敗れていた田嶋が相手。不安もあったが、坂井監督からの「大丈夫。心配していないぞ」という声で安心できた。中段蹴りと上段突き2発で4-0。王手をかけた。
 最後も劇的だった。副将盛田は2-0から2-3とひっくり返されたが、残り9秒に会心の上段突き。同点なら最初のポイントを取った方が勝ちになる。「いつも悔しい思いをしてきた。絶対に勝ちたい」。気迫で残り時間をしのぎ、歓喜の瞬間を迎えた。
 坂井監督は同校OBで、2010年沖縄インターハイの男子団体準Vメンバーでもある。そんな先輩に母校の監督としての初優勝をプレゼントして迎える佐世保市開催のインターハイ。諸岡は「地元で行われることに、先生、家族、すべてに感謝しながら、一勝一勝頑張っていきたい」と力強く言い切った。

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