キャッシュレス決済が60代以上にも浸透、クレジットカード決済が最多で次にQRコード【東京都調査】

都民の生活利便性や事業者の生産性向上に資するキャッシュレス化を推進している東京都が、2023年度の都内におけるキャッシュレス決済の利用に関する調査結果を発表した。

キャッシュレス決済比率は57.6%となり、前年比+3.5%上昇

2023年度の都内のキャッシュレス決済比率は金額ベースで57.6%となり、2022年と比較して3.5%上昇した。また、件数ベースで64.8%で2.4%上昇した。

決済として利用されている種別は、金額ベースだと43.8%がクレジットカードで、次にQRコードで8.1%、次に電子マネー4.1%、デビッドカードが0.9%、iD/QUICPayで0.7%という結果になった。金額、件数ベースともにクレジットカードとQRコードの上昇が、全体の比率を押し上げていた。

年代別では60代以上のキャッシュレス決済比率が大きく上昇

年代別に見ると、30代のキャッシュレス決済比率が63.7%と最も高くなった。昨年度対比で、60代以上のキャッシュレス決済比率が大きく上昇。60代では12%増の47.3%、70代以上では10.4%増の46%となり、年代格差は縮小傾向となった。

また年代を問わず、決済手段別の比率はクレジットカードの利用率が高く、次点でQRコードの利用傾向が見られた。

“キャッシュレス派”はすべての世代で7割を超えた

キャッシュレスに関する利用意向を、「どんな金額・場所等でもキャッシュレスで払いたい」「どちらかというとキャッシュレスで支払いたい」「どちらともいえない」「どちらかというと現金で支払いたい」「どんな金額・場所等でも現金で支払いたい」の5つの選択肢で質問した。

その結果、「どんな金額・場所等でもキャッシュレスで払いたい」「どちらかというとキャッシュレスで支払いたい」と答えた“キャッシュレス派”は、すべての年代で7割を超えた。

キャッシュレスを利用する理由

キャッシュレスを利用する理由として、最も回答を集めたのは「ポイントがたまったり割引を受けたりしてお得であるから」、その次に「素早く決済できるから」「インターネット上での支払いが簡単にできるから」という理由が上位に並んだ。

キャッシュレスを利用しない理由

キャッシュレスを利用しない理由として上位に挙げられたのは、「常識の範囲で利用していても不正利用などの被害にあう可能背は十分にある」、「カードや携帯電話を紛失したら、拾った人に勝手に使われてしまうと思う」「個人情報の提供に抵抗があるため、会員登録はなるべくしたくない」という安全に関する疑念が並んだ。

また「現金でないと使いすぎてしまう」という使い過ぎを懸念する声も一定数あった。

決済後のレシートは88.7%の人が受け取り、うち約30%が記録後に処分

決済後のレシートの受け取り状況を質問したところ、「毎回受け取っている」人が63.4%、「ほぼ受け取っている」人が25.3%で、合計88.7%の人が、よくレシートを受け取る傾向があることがわかった。

また、レシートを受け取ると回答した4,185人のうち、レシートを受け取った後の行動として「内容を確認した後で処分する」が42.4%、「家計簿等に記録した後で処分する」が29.9%という結果となった。

【調査概要】
回答者数: 4,373人
調査形式:ネットアンケート
アンケート調査時期:2024年1月15~29日
※アンケートの回答データは、「東京都オープンデータカタログサイト」に掲載

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