エゴール(長崎鶴洋)全勝優勝 ウクライナから避難の留学生 鮮烈な初土俵 長崎県高総体第2日 

【相撲個人100キロ以上級決勝リーグ】全勝優勝したエゴール(長崎鶴洋)=諫早市、諫早農高相撲場

 鮮烈な初土俵となった。ウクライナから避難してきた留学生、2年生のエゴール(長崎鶴洋)が昨年10月の来日後、初めて日本の大会に出場。個人100キロ以上級を3戦全勝で制しただけでなく、団体戦でも王者諫早農から唯一、白星を挙げた。「1位はちょっとうれしい」。長崎で新生活を始めて7カ月。流ちょうになってきた日本語で喜びを表現した。
 身長188センチ、体重168キロの大きな体を生かしてぶつかり、そこからは押し、突きで前へ。最後はのしかかるように相手に土をつけた。先鋒を務めた団体戦も2試合とも先勝。諫早農戦は50秒近い接戦を勝ちきった。
 ジュニア相撲のウクライナ代表。昨秋、戦火を逃れて長崎鶴洋に編入してきた。厳しい練習と食文化の違いから体重は10キロほど減ったものの、相撲の本場で基礎基本をたたき込まれて手堅い取り口を習得しつつある。この日は福岡で活動する母国代表の女子選手も会場に駆けつけ、熱い応援を送っていた。
 インターハイにつながる個人無差別級でまさかの初戦敗退を喫したのは反省点だ。豪快に寄り切ったはずが、先に土俵外に足が出てしまった。「次の大会は頑張ります」。将来の大相撲力士を夢見て、これから長崎でさらに大きく成長する。

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