【ソフトバンク】千賀滉大に憧れる育成ドラフト6位・藤原大翔の〝現在地〟 球速も体重もアップ!

目標を掲げる藤原大翔

プロ野球界で育成出身として初のメジャーリーガーとなったソフトバンクOBの千賀滉大投手(31=メッツ)に憧れているのが育成ドラフト6位ルーキー・藤原大翔投手(18=飯塚高)だ。周囲からは育成1年目だった千賀を彷彿とさせるといった大器を予感させる声も出ている。そんな高卒ルーキーはどんな思いでプロの門を叩き、何を思って鍛錬に励んでいるのか。現在の胸中や今後の展望などを直撃した。

――プロ1年目の心構えは

藤原 試合で抑えるというよりも、体づくりを一番に考えて技術を高めることを重点的にやっている。来年か再来年の「支配下登録」を目標にやっています。

――焦りはないのか

藤原 ホークスは育成上がりで活躍している選手が多い。最近も3人(仲田慶介内野手、緒方理貢外野手、川村友斗外野手)上がったし、もっと練習しないといけない。仲田さんは誰よりも練習していたと聞いているし、僕も練習して上を目指していければいいなと考えている。

――プロ入り後、これまでのイメージと違っていたことは

藤原 高校時代に思っていたプロのイメージは指導者に教えてもらうのではなく、自分ですべて考えてやる感じなのかなと思っていた。実際は細かく分かりやすく教えてくれるので、成長できるいい環境だなと。変化球でストライクが入らないのが悩みでしたが、奥村四軍ファーム投手コーチ補佐が変化球の投げ方や、真っすぐのコントロールとかを体幹を使って投げるように教えてもらっている。ブルペン投球ではコントロールだけではなく、変化球のキレも良くなっていた。個別練習があるので、ここまで成長できたかなと思っている。

――苦労していることは

藤原 高校時代は投手の中で一番という自信があったが、プロに入るとみんなレベルの高い選手が多いので、それで自信がなくなるというか、焦りが出てくる。誰よりも練習しないといけないという気持ちになる。ブルペンでいい球を投げても、試合では打たれてしまう。

――ブルペンの出来と試合は別ものか

藤原 他の投手は普通に抑えたりしている。だから球速だけではなく、変化球の質やコントロールも大事になってくる。最近は投球動作の流れを確認しているので、室内のブルペンで1日30分程度、個別練習をしている。夜、動きたくなったら同期の佐倉(侠史朗内野手)や中沢(恒貴内野手)と一緒に疲労をためないように意識して練習をしている。

――細身の体形だが、体づくりは具体的にどんなことを

藤原 ウエートトレーニングはかなり重量を重くして、体に負荷がかかるようにやっている。食事は一気に食べられるタイプではないので回数を増やしている。基本の朝昼晩の食事は食堂のバイキング料理。ウエートする前にバナナ、ウエートしてからプロテインバー、そしてアンパンがいいと聞いたのでそれも。あと晩と寝る前には卵かけご飯をお茶わん1杯分食べている。入寮から6キロくらい増えたので成果が出てきています。

――ブルペンで自己最速を151キロに更新したとして注目されている

藤原 投げる時に後ろに反っていたが、それだとバラつきが出る。腹に力を入れて体幹を意識して投げることを教えてもらったので、それを実践したら球の勢いが変わった。キャッチボールをしている時に垂れずに球の軌道がいくようになった。今の課題をクリアしたら、次は変化球を増やしてキレや精度を上げていくことに取り組んでいる。自分に合う握り方の感覚などを試しているところ。真っすぐの最速の目標は155キロです。

――お手本にしている選手は

藤原 千賀投手です。真っすぐと分かっていても打たれないためにどうしたらキレが良くなるか。あと、落ちる球を持っていないので、どうしたら投げられるか。どういうトレーニングをすればいいかを聞いてみたいです。

――リラックス法は

藤原 寝ることです。この前のオフは7時に起きて朝ご飯を食べてからお昼寝だけで8時間。その間に起きて昼ご飯はちゃんと食べている。夕方には起きて、その後は通常の就寝時間の夜11時には寝て、翌朝も7時に起きました。どこでも寝られるタイプなので、移動中のバスでもよく寝て疲れを取ってリラックスしています。

――筑後の寮のいいところは

藤原 練習場が近いし、いつでもウエートトレーニングもできるし、環境がすごくいいです。まずは1年間戦える体づくりや筋力アップを頑張ります。

☆ふじわら・はると 2005年12月26日生まれ。福岡県行橋市出身。右投げ右打ち、投手。小学4年で野球を始め、行橋市立中京中学では硬式野球の「京築ボーイズ」に所属し、二塁手としてプレー。飯塚高に進学し、当初は二塁手も速球を買われて投手に転向した。3年夏の県大会では4試合に登板し、17回1/3で22奪三振をマーク。背番号142。5月27日現在、ファーム非公式戦で7試合に登板し0勝1敗、9回6安打6失点(自責4)、9奪三振、防御率4・00。

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