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気がつけば部屋のクローゼットがパンパンになっている……という人も少なくないのではないでしょうか。そういった人の大半は、外出着ではなく「部屋着」の数がものすごく多いのだと、片付けのプロである下村志保美氏はいいます。そこで本記事では、下村氏による著書『「お金が貯まる家」にはものが少ない』(扶桑社)から一部抜粋し、「部屋着」を整理整頓するコツについて解説します。
その部屋着やパジャマで避難できますか?
クローゼットの中がパンパンのお客様に共通していることのひとつに「部屋着の数もすごく多い」というのがあります。それも季節ごとに合わせて部屋着を持っている方が多いですね。
例えば冬なら、モコモコとした素材のルームウェアやルームソックスなど。かわいらしいデザインが多く、もちろん私も嫌いではありません。
とはいえ、晩秋から真冬のたった2~3か月しか着ないかさばる衣類がクローゼットに何着も入っているのは、スペースとお金がもったいない!
また、かつて外出着として着ていた服を「部屋着」として格下げし、その“現役を引退した部屋着”の量が、今の一軍の服よりも、結果的に増えてしまっている……というケースも多いです。
洋服を買う時も、「もし似合わなくても家で着ればいいや」とハードルが下がってしまい、満足できない服を買う→満足できる服を求めてさらに買う、という負のスパイラルに陥ってしまいます。
二軍落ちしたヨレヨレの服で何週間も過ごせる?
首元がヨレヨレになったり、繊維が薄くなってしまったTシャツを部屋着にしている方は、皆さんたいてい「このクタッとした感じが、着心地がいいんですよ~」とおっしゃいます。
確かに着慣れた服のほうが、やわらかく、肌ざわりもよかったりするんですよね。「でも、もし災害などに見舞われたら、この服で避難生活を送り続けたいと思いますか?」と、お尋ねするようにしています。
近年、日本のあちこちで自然災害が起こっており、いつどこで、誰が被害に遭うのかわからない状態です。まさに「明日は我が身」の中で、突然の避難を余儀なくされたら?
もちろん最初の時点では、命の確保が最優先で洋服どころではありません。しかし難を逃れて、避難所の生活が1週間、2週間と続いたとすると……。
二軍、いや三軍落ちしたヨレヨレの服や、季節が限定されるようなパジャマ姿で過ごし続けるのは、余計なストレスを生み出すのではないでしょうか。
基本の部屋着は「3着」あればいい!
「それじゃあ下村さん、部屋着はどれぐらいの数があればいいんですか?」と思われる方も多いでしょう。私の場合は、仕事の都合で出張など家を留守にする機会があるのでやや多めに、年間を通じて3~5着をセットにしています。
まず、ブラトップ、ショーツなどの肌着は、洗い替えの頻度が多いので5着。その上に身に着けるTシャツと厚手のヨガパンツは3枚ずつ。秋から冬にかけてはパーカーを1枚、上に身に着けるだけ。どれも年に一回、新しいものに買い替えています。
コンビニぐらいならば躊躇なく出かけられますし、万が一、「すぐに自宅を出て避難してください」と言われた場合でも、ヨレヨレになるまで着倒さないようにしているので、恥ずかしい思いをすることもありません。
これらはすべてユニクロなどの定番品を購入していますので、サイズや価格も安定しています。そのための枠(予算)も確保していますので、年に一回買い替えたとしても、経済的なダメージもそこまでありません。
着なくなった服を大量に取っておき、なんとなく着ているよりも、保管する場所代の節約にもなっています。
ユニセックスなデザインを選ぶことも大事
また私は女性のお客様には、「部屋着はユニセックスなデザインを選びましょう」とお伝えしています。我が家には娘がいるのですが、これは、彼女にも強く言っていることです。
フェミニンさを際立たせる部屋着やパジャマが女性の心を潤してくれるのは確かですし、母と娘で「かわいいね~」と盛り上がれるのは楽しいものです。
でも悲しいかな、何が起こるのかがわからないのが現代社会。たとえ自宅にいても、宅配業者など人が出入りする機会はわりとありますし、避難所では性犯罪が後を絶たないという悲しい現実もあるのです。
ファッションは自身をもり立ててくれるもの。さらにその一方で、実用性や自分の身を守る道具としての役割もあります。だからこそ、ご自身の部屋着を一度整理し、リニューアルされてはいかがでしょうか。
下村 志保美
「PRECIOUSDAYS」主宰