ミシェル・ンデゲオチェロ、ボールドウィン生誕100年に捧げる新AL発売決定

©Andre Wagner

現代最高峰のプロデューサー/ベーシスト/シンガー・ソングライター、ミシェル・ンデゲオチェロ。ブルーノート・デビューとなった2023年作『オムニコード・リアル・ブック』が高い評価を受けてグラミー賞を受賞、2024年2月の来日公演もソールドアウトと大きな話題を呼んだ彼女だが、1年振りとなるニュー・アルバム『ノー・モア・ウォーター:ゴスペル・オブ・ジェイムズ・ボールドウィン』を8月2日にリリースすることが決定した。先行シングルとして、「トラヴェル」と「レイズ・ザ・ルーフ」の2曲の配信がスタートしている。

<YouTube:Travel

本作はその『オムニコード・リアル・ブック』に続き、ブルーノートから2作目となる1年振りのニュー・アルバム。2024年8月2日に生誕100年を迎える「怒れる黒人作家」ジェイムズ・ボールドウィンの作品にインスピレーションを受けた作品で、様々なジャンルを超越した彼女ならではの世界を描き出している。人種差別や同性愛に関連した社会的・心理的圧力をテーマとし、社会の分断を愛で繋ごうと試みたこの大作家に捧げる本作では、「オン・ザ・マウンテン」や「アナザー・カントリー」など、ボールドウィンの著作を想起させるタイトルの楽曲も。教会での祝祭から他者との会話、そして社会的なメッセージなども内包した、唯一無二の音楽体験となっている。

<YouTube:Raise The Roof

アルバムの制作は、2016年にニューヨークで行われたボールドウィンのトリビュート・イベントから始まったとのこと。彼の著作『次は火だ』(原題:The Fire Next Time)に深い感銘を受けたというミシェルは、「私にとっては啓示のようなもので、色々な意味で心が和らぎました。特に最初の章では、まるで私の家族のことが書かれているようでした。『私は、軟弱だと思われたくない黒人男性に囲まれて育ちました』というのは、彼が『甥への手紙』(A Letter to My Nephew)の中で記しているものです」と語り、アメリカの人種・階級闘争の困難な歴史について、そしてこれがミシェルや自身の家族に及ぼした影響について、深く理解することが出来たという。アルバム・タイトルの『ノー・モア・ウォーター』(No More Water)とは、ボールドウィンの著作や黒人霊歌「Mary Don’t You Weep」の歌詞、そしてさらに遡ると旧約聖書の『創世記』の「ノアの箱舟」の章で登場するフレーズであり、それらからの引用となっている。

プロデュースはミシェル自身と、ギタリストのクリス・ブルース。参加ミュージシャンにはジュリアス・ロドリゲスやジョシュ・ジョンソン、エイブ・ラウンズ、ジャスティン・ヒックスなど気鋭の若手が名を連ねており、さらにはロバート・グラスパーやタナ・アレクサなどの作品にもフィーチャーされているジャマイカの詩人のステイシーアン・チン、そしてピューリッツァー賞も受賞した作家のヒルトン・アルスがリーディングで参加。アルスはアルバムのライナーノーツも執筆している。

ボールドウィンが生誕100年を迎える8月2日にリリースされる、ミシェル・ンデゲオチェロ渾身の大注目作だ。

■リリース情報

ミシェル・ンデゲオチェロ
AL『ノー・モア・ウォーター:ゴスペル・オブ・ジェイムズ・ボールドウィン』
2024年8月2日発売 UCCQ-1205 SHM-CD ¥2,860(税込)

https://Meshell-Ndegeocello.lnk.to/NMWTGOJB

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