ETF含み益「けっこうある」、株安でも直ちに期間損益に影響出ず=加藤日銀理事

Takahiko Wada

[東京 3日 ロイター] - 日銀の加藤毅理事は3日、衆院・決算行政監視委員会で、日銀が保有する上場投資信託(ETF)の「含み益はけっこうある」と述べ、株価が下落しても直ちに決算上の期間損益に影響が出る状況ではないと指摘した。今すぐにETFの処分を行うことは考えていないとした上で、ETFの処分を含めた今後の取り扱いは「ある程度時間をかけてしっかり検討していきたい」と話した。

杉本和巳委員(維教)の質問に答えた。

日銀保有のETFは今年3月末時点の時価が74兆4982億円となり、評価益は37兆3120億円に上った。加藤理事は、期末時点の時価が簿価を下回ればその差額に対して引当金を積んで財務健全性を図るとした。

杉本委員が、日銀の財務健全性確保のために政府が保有している米国債と日銀が保有している日本国債を交換するよう提案したのに対し、加藤理事は、外国為替関連資産は価値が変動しやすいとし、財務健全性の点から「いろいろ慎重に考えないといけない」と話した。

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