中国「英スパイ夫婦」を摘発 情報活動を巡り対立激化

北京市内に設置された監視カメラ(手前)と掲げられた中国国旗=3月(共同)

 【北京共同】中国でスパイ摘発を担う国家安全省は3日、英秘密情報局(MI6)のスパイとして中国の中央政府機関の職員2人を摘発したと発表した。2人は夫婦で多額の報酬を受け取り、中国政府の内部情報を提供したとしている。習近平指導部の香港統制に対する旧宗主国、英国の批判に中国が反発する中、両国は情報活動を巡って互いに摘発を繰り返し、対立が激化している。

 国家安全省によると今回摘発した男は英国に留学、MI6関係者から飲食や観光で便宜を受け、金銭目的で要請に応じた。

 提供情報は次第に政府の内部情報に及ぶようになり、男はその後、スパイの訓練を受け重要情報の収集に当たるようになったという。

 男の妻は中国政府の重要部署に所属し、MI6は妻の協力も要求。夫婦はいずれも英国のスパイになったとしている。

 中国は昨年7月に改正反スパイ法を施行し取り締まりを強化。国家安全省は今年1月、MI6のスパイとして英国籍ではない外国人1人を拘束したと発表した。英当局は5月、香港情報機関のために働いていた3人の起訴を公表した。

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