東日本大震災の教訓つなぎ100万人 陸前高田・津波伝承館

100万人目の来館者となった小山美波さん(左から2人目)、大友信作さん(同3人目)と静子さん(同4人目)

 陸前高田市気仙町の東日本大震災津波伝承館は2日、開館から4年8カ月余りで来館者数100万人を達成した。新型コロナウイルス禍が収束傾向となった2023年度は展示内容を一部リニューアルし、過去最多の25万人超が足を運んだ。震災の風化が懸念される中、教訓を後世に伝える防災学習の拠点として一層の活用が期待される。

 100万人目となったのは、気仙沼市の大友信作さん(97)と妻静子さん(91)、宮城県富谷市の介護職の孫小山美波さん(35)。関係者から拍手で迎えられ、道の駅高田松原の人気商品などを詰めた記念品を受け取った。

 館内では田野畑村消防団の被災車両や橋桁などの展示物を真剣なまなざしで見つめた。陸前高田市高田町出身の信作さんは「(伝承館は)年に2、3回足を運んでいる。今後も震災の事実と教訓を伝え続けてほしい」と思いを込めた。

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