謎に包まれた新キャラが登場。ミステリー小説のようになってきた!光雅(玉置孝匡)や周明(松下洸平)の正体は⁉【NHK大河『光る君へ』#22】

*TOP画像/為時(岸谷五朗) 源光雅(玉置孝匡) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)より(C)NHK

紫式部を中心に平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第22話が6月2日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。

為時に賄賂を渡した源光雅は何者なのか。越前は想像以上の危機に瀕している?

本作における越前編が先週からスタートしましたが、越前は想像以上の問題を抱えているようです。あやしい支配層の登場などにより、為時(岸谷五朗)には探偵のような謎を究明していく役割が課されることに。

為時(岸谷五朗) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)より(C)NHK

為時が「お静まりなさい」と威厳のある声で、松原客館でケンカする宋の国の人たちに呼びかけたシーンは印象的でした。彼に秘められた上に立つ者としての能力が垣間見え、国守としての今後の活躍に期待をふくらませたのは筆者だけではないはずです。

為時を取り巻く越前の環境はおだやかなものではなく、不穏な空気がただよっています。そもそも、宋の人たちは何を目的に来日しているのか、道長(柄本佑)もつかみきれていない状況です。彼らは「商人」と自称しているものの、道長も為時もどこか不自然に思っています。

また、越前国の介・源光雅(玉置孝匡)(※1)にあやしさを感じるのは筆者だけではないでしょう。

源光雅(玉置孝匡) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)より(C)NHK

為時が「船の修理は、どうなっておる?」「いずれは赴いてこの目で 船の様子も見たい」と話すと、光雅は「ご着任早々 そのような」「宋人のことはこちらで よしなにやっておきますので」と答えています。光雅は為時に知られたくない事情や深入りしてほしくない何かを抱えていると解釈できるシーンでしたね。

為時(岸谷五朗) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)より(C)NHK

さらに、「吉野瀬川の橋がきしんでおるのでお願いします」「うちの方では 米が不作でございます。 別の品を 代わりにお納めしてもよろしゅうございましょうか?」などといった申し出をしに、為時のもとに外まで続く行列ができる異常事態も発生します。光雅はこの場にもひっそりおり、あやしげな表情を浮かべていました。為時もまひろ(吉高由里子)もこの行列を嫌がらせと察していますが、何が目的なのかさっぱりわかりません。

さらに、為時は光雅から「どうぞ 越前のことは我ら越前の者に 任せ下さいませ」という言葉とともに賄賂を渡されます。

為時は国守としての経験は浅く、寡黙で、人の上に好んで立つようなタイプではありません。しかし、「左大臣様より 宋人の扱いを任されて私は 越前に参った」と自分の役割を果たそうと意欲にあふれており、過去には宋の国に渡ろうとした“破天荒”な一面をもっています。また、賄賂に心を動かされるような浅はかな人間でもありません。“博学で物静か”、それでいて“破天荒”な為時がこの混乱にどう対応していくのか楽しみですね。

※1 「介」は「守」に次ぐ役職。つまり、越前介である源光雅は越前守である為時の直下ということだ。

周明はまひろの味方なのか、敵なのか?

周明(松下洸平) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)(C)NHK

『光る君へ』の越前編においてもう1人気になるキャラクターが周明(松下洸平)です。公式サイトによると、彼は「宋の見習い医師」という肩書をもっています。為時が腹痛を患った際にも薬師として周明が呼ばれ、治療を施していました。

まひろは周明に好意を抱いているようにも見えますよね。ふたりが海辺で自己紹介をし合うシーンは印象的でした。

周明(松下洸平) まひろ(吉高由里子) 大河ドラマ「光る君へ」22回(6月2日放送)より(C)NHK

言語の壁を超えて通じ合おうと、砂浜に文字を書いてやりとりするふたり。このシーンを観て、恋の新たなはじまりを予感したのは筆者だけではないはずです。

しかし、本放送の終盤では日本語を理解できないはずの周明が朱仁聡(浩歌)の無実の罪をうったえるために、日本語で呼びかけるシーンがありました。さらに、彼はうたげにもひっそりといましたが、医師見習い、ないし薬師がこのような場にいることにも違和感を覚えます。周明は何者なのか、まひろが信用してもよい人物なのでしょうか。

【前編】では、22回のストーリーを解説しました。

続きの【後編】では、平安時代が令和に負けないほどの「ルッキズム」の時代だっということ、平安貴族たちの脱毛事情についてお伝えします。

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