斎藤恭代との甘美な夜にドキッ 大胆新作はバーでの交流描く「とりあえず、生」

グラビアモデルの斎藤恭代がこのほど、SPA !デジタル写真集「胸がうずく一夜」(扶桑社)を発売した。ストーリー性あふれるグラビアを展開している。

斎藤は、ミス・アース日本代表という華麗な経歴を持ち、街を歩けば多くの人の目を奪う高身長美人。現在はグラビアを中心に活動中で、ファースト写真集「EarthFUL」(ワニブックス)が発売中だ。

本作は、熊日文学賞受賞した「キッズファイヤー・ドットコム」で知られる作家・海猫沢めろんが手掛けたシナリオを基に、グラビア撮影を敢行。斎藤は古びたバーの店員に扮して、接客する様子を捉えていく。他愛もない会話をつまみに、ご褒美の麦酒を飲んでいると、彼女から「もう少し一緒にいませんか」と、魅力的な誘いを受ける。甘美な夜を過ごす様子を、グラビアカットで表現していく…。

シナリオの一部は次の通り。

ひどく疲れて、どうでもいい気分だった。

ぼくはその日、歌舞伎町の安い居酒屋で、クソみたいなサブカル雑誌のクソみたいな先輩編集者の、指導という名の罵倒に耐えていた。時給も出ないのに付き合っているのはぼくが彼の部下で、まあ実際自分がつまらない企画しか出せない事実を否定できなかったからだ。

耳をふさぐかわりに酒で神経を麻痺させて、気づくと路地裏で気を失い、終電がなくなっていた。コンビニで買った天然水を飲んで正気に戻ると、ひとりで飲みたくなった。

細められた猫の目のような街路地を抜け、古びたバーのドアを押し開けると白いワンピースを着た彼女がいた。

彼女は少し驚いたように笑みを浮かべてぼくを見て、静かに言った。「その服。ダメージ加工にしてはアバンギャルドすぎない?」

よく見るとぼくのチェックの柄シャツはビリビリに破れ、チノパンの膝のところには大きな穴があいていた。

恥ずかしくなって、「とりあえず、生」とぶっきらぼうに伝えると、彼女は微笑を浮かべて、「なんかちょっと卑猥だね」とひとりごとのように言った。

ビールを飲み干すと、沈黙が流れて、そのあいだを知らないジャズの音楽が埋める。

(よろず~ニュース編集部)

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