政府、医師偏り是正へ総合対策 骨太方針、21日に決定へ

霞が関の官庁街(右奥は国会議事堂)

 政府の経済財政運営の指針「骨太方針」のうち社会保障分野の素案が3日、判明した。地域、診療科、病院・診療所によって医師数に偏りがある現状を是正するため「総合的な対策のパッケージを24年末までに策定する」と明記。さまざまな雇用形態に対応できるようにする公的年金制度の改正は「年末までに道筋を付ける」とした。

 政府は骨太方針の21日の閣議決定を目指し、与党との本格協議に入る。

 医師の偏在是正策として、特定地域での勤務を前提に大学医学部への入学を認める「地域枠」活用のほかに、「診療報酬などの経済的インセンティブ」を挙げた。過疎地域の医療機関の診療報酬を手厚くして、医師を確保する手法などを検討するとみられる。「27年度以降の医学部定員の適正化の検討を速やかに行う」ことも掲げた。

 現在、パートなど短時間労働者は「勤務先の従業員数が101人以上」などの要件を満たす場合、厚生年金への加入義務が生じる。従業員数の要件は24年10月から「51人以上」に引き下げられ、新たに20万人程度が加入すると推計される。

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