女児虐待死でマンパワー不足指摘 岡山市、児相体制で第三者評価

岡山市役所

 2022年1月、岡山市で当時6歳の女児が死亡した虐待事件を踏まえ、市は3日、こども総合相談所(児童相談所)の体制で第三者評価を受けたと明らかにした。マンパワー不足など5項目を指摘され、いずれも改善策を講じたという。

 報告書では、児童福祉司らの実働数について「国基準を満たす一方、業務量が膨大。適切な調査や支援を行える数を大幅に超えている」と指摘。産前産後の休暇や育児休業の代替職員に関しても確保できていないとした。

 子どもの前で暴力を振るう面前DVの統計上の捉え方にも言及。虐待かどうかの判断が全国標準とかい離し、他自治体に比べて虐待相談の対応件数が少ないように見えることから、見直しを求めた。

 残る3項目は、児相と地域こども相談センターとの役割分担が不明瞭▽相談受理から終結までが適切に構造化されていない▽各種ガイドラインの実行に向けた関係団体の連携が不十分。

 市こども総合相談所は「第三者の視点で課題を掘り下げることができた。二度と死亡事例が起きないよう対策に努める」としている。

 第三者評価は元児相所長や大学教授でつくる一般社団法人日本児童相談業務評価機関(東京)が昨年9月に行った。

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