「人命が一番」クマ対策を知事に要望 ミツバチ飼育届け出の徹底など5項目 群馬・岩井安中市長

 群馬県安中市松井田町土塩で5月31日に民家へ侵入したクマに襲われ、夫婦が重傷を負った被害を受け、岩井均市長は3日、人身被害抑制に向けた5項目の緊急要望書を山本一太知事に提出した。

 夫婦宅にミツバチの巣箱があったことなどから、要望は①県への提出が義務付けられているミツバチ飼育届け出の周知徹底②ぐんま緑の県民税による支援メニュー創設③河川内の伐木や刈り払い④クマ出没時の対応マニュアル作成⑤捕獲従事者に対する過度な苦情への対応―を挙げた。

 岩井市長は捕獲強化や安全確保など市として実施した対策を説明した上で「クマも大事だが人命が1番大事。他の地域でも起こり得るので、県としても市町村と連携して対策をとってほしい」と要望した。

 山本知事はクマの出没状況をリアルタイムで把握するマップ作成や麻酔銃による捕獲など新たな対策を発表した直後の事故だったことに触れ「大変重く受け止めている。これらの対策に何か加えることができるか検討したい」と話した。

 同様の要望書を県議会の須藤和臣議長にも提出した。

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