採用選考の課題を「大変そう」と断ったZ世代の応募者に賛否両論の声

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採用面接を担当したある人物が5月、Z世代の応募者に採用選考の課題を出したところ「大変そう」と断られたとの内容をXに投稿し、話題となっている。

Z世代の応募者は「自分が選考過程のどの段階にいるか分からないのに、90分もエクセルに費やすのは気が進まない」と述べたという。

投稿者は応募者の返答を快く思わなかったようで、「そうですか、だったら教えてあげます」とコメントし、採用しなかったことを示唆した。

この投稿の表示回数は記事の執筆時点で約800万を記録し、議論を呼んでいる。

この面接担当者が応募者の行動を快く思わなかった一方で、応募者を擁護する声も多く上がっている。

「多くの企業は、応募者を『無償労働』させるために利用しているだけ。募集している『仕事』などなく、『課題』が唯一の『仕事』」

「時間のかかる『課題』を提出して以降、応募していた会社から突如連絡が途絶えた」

など、応募者の労力を搾取しているという声もあった。

世代間での仕事に対する姿勢の違いについて指摘する人もいた。

「ベビーブーマー世代の上司から、私たちがこうした振る舞いを長年受け入れてきたからといって、この応募者が同じようにする必要はない」と応募者の姿勢を称賛する声もあった。

「課題」を出すこと自体よりも、その「課題」をこなす労力に対して報酬が与えられないことが問題だと指摘する人もいた。

最初の投稿をした面接官は、もし応募者が報酬を求めたなら支払ったと投稿した。

「応募者が『この作業は得意ですがタダ働きはしません。1000ドル(約15万7000円)支払ってくれたら、素晴らしい仕事をしますよ』と言ってくれたら、喜んで支払ったし、おそらく採用したでしょう」

しかし多くの人は、そもそも応募者がそのような提示をする必要はないと指摘する。「将来の雇用主に対して、課題を終えたら1000ドル払ってくれと提案するほど鈍い人はいない。応募者が断ったというから、このZ世代の若者は自分の価値を理解していると思う」との意見もあった。

一方、企業側を支持する人たちもいる。

ある人は「面接では素晴らしかったのに、実際の仕事では期待はずれというケースを見てきた。課題はそういった応募者をふるいにかけるのに最適なんだ」と述べ、「応募者の仕事を信頼できるように、最初に数時間分の仕事を見せてもらうことは重要」とコメントした。

この議論は大きな話題となり、アメリカで人気の投稿サイト「Reddit」記事が掲載されると、多くの注目を集めた。その中でも多くの人が共感したトップコメントには、「応募者にアイデアを出させ、その人は採用せず、コンセプトだけ使用する」という戦略に言及し、「無償労働はするなという良い教訓」と述べた。

ある人は、「父が80年代に同じような経験をした。デザインの学位があり、自身の作品のポートフォリオを持っていたけど、企業はそれを見ず、面接前にデザインを描かせた。父は採用されなかったけど、面接を受けた会社の店頭に自分が描いたデザインが並んでいるのを見て酷く落胆した」との話を共有した。

この議論はTikTokでも注目を集め、TikTokerのリア・ミッチェルさんは動画「私は応募者の味方。90分もタダ働きさせられるなんてまっぴら!」と述べ、「企業はタダ働きして欲しいだけってことはよく知られてる。『潜在的な社員』に90分の無償労働をしてってね。それは残虐」と語った。

コメント欄は、「10分や15分間、何か重要なタスクで能力を示せというなら分かるけど、90分?絶対イヤ」「若い世代は『無給インターンシップ』や「タダ働き』にうんざりしてる」などの意見で埋め尽くされた。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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