止まらない反省と悔しさ。ENEOS高木虎之介監督「あと1周、あと1秒ズレていたら……レースって難しいね」/第3戦鈴鹿決勝

 スーパーGT第3戦鈴鹿サーキット決勝、最後のピットストップで見事、オーバーカットを決めてトップに立ったものの、そのピットストップでアンセーフリリースのペナルティを受けて優勝を逃してしまった14号車ENEOS X PRIME GR Supra。高木虎之介監督がレース後、取材に答えた。

 14号車エネオスのステアリングを握っていた大嶋和也が、インラップまでの2周でそれまでより2秒以上速いラップタイムを刻み、オーバーカットを狙ってピットイン。14号車のメカニックたちのタイヤ交換作業も素早く、全ての任務が完璧に遂行された……と思われた矢先、ピットストップから動き出した瞬間、ファストレーンを走行していた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTに接触しそうなり、これがアンセーフリリースのペナルティとなった。

「こんなことがあるんだな……と。一応、ギリギリ(ぶつからずに)出れたけど、ファストレーン優先だからね。こちらは2番手でインラップでプッシュしてピットに入っている状況だから……もうちょっと、う〜ん……結果的にあそこでロスしても、出るのを抑えるべきだった」と、レース直後に問題となったシーンを振り返る14号車ENEOSの高木虎之介監督。

「でも、あそこで出るのを止めてしまうと、確実に2〜3秒はロスしてしまう。まあ、でも、判断としては出しちゃいけなかったかなと。ドライバーには迷惑を掛けてしまった」と、大嶋和也、福住仁嶺への謝罪の言葉を口にした。

「無線でも仁嶺に『悪かった』って。仁嶺、頑張っていたのにね。最後の最後、トップまではいけなかったけど……はぁ〜(深いため息)勝てるチャンスのあったレースなのに、落としちゃったからね、痛いね。こういうミスをなくしていくしかない。チームがミスする時もあるし、ドライバーがミスする時もあるし、ピットストップでミスすることもあるけど、今回はみんな完璧に来ていたのに、ホント、ワンミスで勝ちを逃してしまった。そこはもう、これからミーティングして改善するしかないね」
 
 高木監督が無線で福住に謝罪した際、福住はどんな反応をしていたのか。

「いやもう、キレていましたね。それでこちらも、『もうしょうがないから行って! 抜いてくれ! ワリイ!』と」

「ドライバーはふたりとも頑張っていたよね。軽いからクルマもあれくらい行っていなきゃいけないけど、せっかくの勝チャンスが……。前回はピットスタートだし……この鈴鹿に懸けていたんだよね。レースって難しいね」

「ルーキー・レーシングも4年目でここまでいろいろやってきたのに……こんなことが起こるのは初めてだし、こんなシチュエーションは今までなかった。あと1周、あと1秒ズレていたら起こらなかった。もう1周引っ張っていれば何もなかった話だしね。ホント、運とタイミングが悪かった。そんなにリスクを負う必要はなかったのに……いずれにしてもチーム側が悪いので、そこは改善します」

 反省と悔しさが止まらない高木監督。千載一遇のチャンスを逃したダメージは、想像以上に大きいようだ。

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