美術 自由な視点で 県博コレクション宅配便 看護大1年生 対話型鑑賞を体験

展示された作品をグループで鑑賞する学生たち

 鳥取県が所蔵する美術品を間近で鑑賞してもらう県立博物館の「コレクション宅配便」が5月30日、倉吉市の鳥取看護大で開かれた。看護学部看護学科1年生78人が「スタディスキル」の授業として展示作品についての感想を言い合う対話型鑑賞を体験し、美術への関心を高めた。

 同宅配便は、身近な場所で美術品に触れてもらうとともに、来年春に開館する県立美術館への関心を高めるのが狙い。看護大での実施は3回目となる。

 会場には、橋本興家の木版画「縞(しま)衣の少女」や辻晋堂の木彫「裸体」など、県出身作家を中心に計10点を展示。学生たちはグループに分かれ、作品名などが伏せてある作品を鑑賞し、その様子をファシリテーター(進行役)となる県立美術館専門員の外村文さんと佐藤真菜さんが見守った。

 同じ作品でも鑑賞者によって感じ方はさまざまで、各グループが鑑賞後に見立てを発表。「裸体」については「遠目で見ると木魚」「考える人かうずくまっている人の姿」などと感想を述べた。新拓望さん(18)は「これまで美術品に触れる機会はなかったが、いろんな視点があって楽しかった。よく見て、よく聞くことは看護の道にも通じる」と話した。

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