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ついつい溜まってしまう書類の数々……。処分したり、整理したりするのが難しいという人も多いのではないでしょうか。なかには単なる書類だけではなく、思い出が詰まったものもあるため大変です。本記事では『心、お金、時間の巡りがよくなる「暮らしのサイクル」の作り方』(KADOKAWA)の著者で整理収納アドバイザーの井田典子氏が、書類の管理方法を解説します。
書類の分類
今や外出しない日はあっても、書類の増えない日はないのではと思うほどです。大げさでなく、私たちはうかうかしていると紙に埋もれてしまうのではないでしょうか。ほかのものたちに比べて圧倒的に厄介なのは、紙の一枚一枚は薄いけれど、それぞれの重要度がまったく違うという点です。
こうなったら、紙が入ってくるスピードに負けないように処理していくしかありません。普段からあと回しにしないで、手にした瞬間に「価値をはかる」クセをつけましょう。書類はまず、①流動、②固定、③愛着の三つに分けることが大切です。
①流動
学校、団体からのお知らせなどの情報関係は流動的なものですから、用が済んだら処分しやすいように、ジャンル別に立てたフォルダーなどに投げ込みにしておきます。年度末は、所属やお役が変わったりするので、不要なものをどんどん処分して減らせる絶好のチャンスです。
②固定
重要書類や証書などは外封筒や約款を処分し、最低限に絞ります。そして、蛇腹ケースなどにまとめて保管し、毎年更新していきます。いざというときにコンパクトになっていると、家族もサッと持ち出すことができて安心です。
③愛着
思い出の手紙や子どもの絵などは、段ボールに詰めてもほとんど見てあげることはできません。最新のものを一定期間コルクボードなどに飾って愛でてあげれば十分です。何度も見返したいものだけポケットファイルなどに入れて、すぐ出せるところに保管しましょう。
書類整理の3つのポイント
1.書類は出し入れしやすい場所に
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毎日の生活の中で受け取ったり、見直したりする書類、進行中の仕事の資料などの紙類は、出し入れしやすい場所に。わが家では、食器棚の一番下の引き出しが丸ごと書類入れです。
2.ジャンル別に分け、普段は投げ込み→年度末にまとめて整理
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フォルダを、衣・食・住、カタログ、検診関係などのジャンルに分け、普段は「投げ込み」収納。年度末のほか、量が増えてキツくなったときに整理します。
3.蛇腹ケースにひとまとめ
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公共料金、各種保険の証書は、ふたを切り取った蛇腹ケースに、1年分だけ収納。保険に関しては証書さえあれば問題ないので、外封筒や送り状などは送られてきた日に処分してしまいます。
紙類の分類と思い出の置き方
前にも書いた通り、書類は「流動・固定・愛着」の三つに色分けして考えるようにしています。下の図表のように分類して、捨てるか、保管するかを見直すタイミングを決めておくと、紙類の死蔵を避けられます。ただ、最後の「愛着」分野をどこにどう保管するかは、万人の悩みどころです。
1人目の子どもが小さいころは落書きもすべて取っておきたいほど愛おしいものですが、2人目、3人目とそれぞれ大きくなると、それどころではありません。思い出は際限なく膨張していくからです。
それらを絶えず「適量」でキープしていくには、やはりそれなりの置き場所に「枠」を設けるしかないのです。私の経験では、段ボールに詰めて押し入れの天袋に押し込んでしまったら最後、何年も日の目を見ないことになってしまいます。いつでも出して思い出を愛でるための置き場所と枠は「遠過ぎず、多過ぎず」。家族が普段集まるリビングにある収納庫の一角に収まる程度がちょうどいいのではないでしょうか。
ということで、私の思い出アーカイブスコーナーは、リビングの物入れの下2段までと決めています。1段目は私たちの独身時代の往復書簡や古いアルバム。2段目は子どもたちの生活記録でもあるおこづかい帳や、大切な手紙、作文など。特に、誕生日や母の日など折に触れてもらった子どもたちからの手紙のファイルは、思春期の嵐の日々に何度も読み返して心を静めた宝もので、永久ストック入りです。
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[図表] 紙類の分類と思い出の置き方
整理収納アドバイザー、井田さんの「愛着」
子どもたちからの誕生日のお祝いメッセージ、文通をしていた外国のホストファミリーからの手紙……。これらは、クリアファイルに入れて永久保存です。
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子どもたちのおこづかい帳で当時のお金の使い方を見ると、どのくらいの時期に、何に夢中になっていたのかを思い出すことができ、とても懐かしい気持ちに。
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整理収納アドバイザー
井田 典子