新人・清家氏が当選 港区初の女性区長に

約1500票差で、港区初の女性区長が誕生です。6月2日投票が行われた港区長選挙は、新人の清家愛さんが現職をやぶり、当選しました。3日には早速、小池知事と面会するなど精力的に始動しています。

清家愛氏:「今のずっと固定化してきた区役所の形を、もっとみなさんのアイデアがいきいきと生かしていける組織にしていきたい。区民の声がきちんと反映される、そういう区政を目指す」

港区長選挙で当選したのは、元港区議会議員で無所属の新人清家愛さん49歳です。

清家愛氏:「これから港区を変えていく、新しくするということにすごく期待をいただいているんだなというのは肌身に感じる選挙でした」

6期目を目指す現職に新人が挑む構図となった今回の選挙における争点の1つは、いわゆる「多選の是非」でした。清家さんは選挙期間中、組織が硬直化していると訴え、「多選自粛条例」の制定を公約に掲げ、女性初の港区長の座を目指しました。一方、現職の武井さんは、自民党と公明党の推薦を受け、5期20年間の区政運営の実績を軸に訴えましたが、投票の結果、清家さんが2万9651票を得て勝利し、武井さんは約1500票差で及びませんでした。

武井雅昭氏:「私は20年間、この港区を良い町にするためにと力一杯がんばって参りました。そのことに悔いはありません。この先はまた新しいリーダーのもとで港区がさらに良い街となってくれることを期待をしております」

接戦を制した清家さんは一夜明けて、早速、街頭に立って当選の報告を行ない、港区を、「愛が溢れる国際都市」として誰ひとり取り残さない区に変えていくと強調しました。

清家愛氏:「本当に大変な問題が(教育や子育ての)現場では起きていて、それが届いてはいないという現状を変えたいという風に思ってきたので、現場の声がきちんと反映される、会話のある港区の新しい政治をつくっていきたい」

そして午後になり小池知事とも面会…

小池知事:「ぜひ港区民が安心して、そしてまた国際的な地域でもあります、そういったことも踏まえて、ご活躍されることを心からお祈りしております」

港区が"東京の中心地”として都と連携をはかり、日本をけん引したいと意気込む清家さん。港区初の女性区長によるかじ取りが始まります。

6月2日に行われた港区長選ですが、新人の清家さんが、6期目を目指した現職の武井さんに約1500票差を付け、当選を果たしました。港区で初の女性区長となる清家さんですが、港区東麻布出身の49歳、全国紙の元記者で、主に事件や行政取材を担当していたということです。

結婚・出産と仕事の両立に悩み、退職後、待機児童の経験をきっかけに、行政に提言する「港区ママの会」を発足させています。その後2011年に、港区議選に立候補し、5位で初当選すると、その後の区議選では3期連続でトップ当選という実績を残しています。そして今回、「多選自粛条例」の制定などを掲げ、港区長選に初挑戦で初当選となりました。20年ぶりに新区長が誕生することについて、港区民の声を聞いてきました。

「女性の方に新しく改革して頂けたらいいなと思っています。楽しみですね。高齢者の事とか福祉関係を主に新しく改革してくれるといいかなと思っています」

「放っておいても企業くるからね、港区は。だからそれに甘えているような気がするので、もうちょっと活力のある港区になるといいかなと思いますね」

「子どもを預ける場所だったり、お仕事をしているお母さんたちがすごく多いので、そういった時に預けられる場所が無かったりとか、そういうのを改善してほしいなあってずっと思っていたので、そういうところだったり、後は助成だったり、そういったものをもっと今よりもっと良くなるといいなと思います」

一方で、20年に渡り、港区政を担ってきた武井さんですが、6期目とはなりませんでした。自公の推薦を受けて臨んだ選挙戦で、選挙での連敗が続く自民党への逆風が影響したとの指摘もある中で、武井さんは、「自民党の推薦が逆風になったとは考えておりません。私に対する評価が票に表れた」と、逆風の影響は否定しました。一方で、武井さんの選挙を支援した自民党議員からは、「有権者からの逆風を感じることはなかったが、自民の推薦が足を引っ張った部分はあると思う」としていて、来月の都知事選と都議補選に向けて、どう対応していくのかが、焦点となりそうです。

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